トランプ政権に「外交プロ」がいない根本原因 シンクタンクの役割が変わっている

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トランプ大統領就任以来、政府とシンクタンクの関係が大きく変わっている(写真:Jonathan Ernst/ロイター)
米国で「第五の権力」と呼ばれるシンクタンク。トランプ政権下で役割は変貌を始めたのか。『アメリカ政治とシンクタンク』を書いた帝京大学法学部講師の宮田智之氏に現状について聞いた。

 

──米国の歴代政権にはシンクタンクから大挙して幹部要員が登用されました。

米国の場合、政権の主要役職は政治任用であり、4000人近くの人材がシンクタンクなどから新たに登用され、また前政権の退任後の受け皿にもなってきた。

これまでの政権ではシンクタンクの在籍者が政府要職に起用されるのがパターンだった。ところが、トランプ政権にはこの動きが明確に見られない。過去の政権に比べ圧倒的に少ない。ヘリテージ財団が早くから支持し応援していて、最も近いといわれていたが、従来ほど政府高官に起用されているわけでもない。ほかの主要なシンクタンクに至ってはわずかに1人とか2人だ。

登用された人材が少ないということは…

──政官界との「回転扉」の人材源といわれていました……。

シンクタンクに所属する研究員の多くは政府での経験が豊富。登用された人材が少ないことは、今の政権に政策や統治に長けた人材が乏しいことを意味する。特に外交、安全保障については皆無に近い。大統領選挙で“ネバー・トランプ”を掲げ歯向かった人たちを、トランプ政権は許さなかった。端的な例が国務副長官人事で、代表的な外交専門家の選挙当時の発言が発覚して直前に外された。

──現副大統領はシンクタンク経験者とか。

仮にそのマイク・ペンス副大統領が昇格したら、大挙して政権に入ってくるようになるのではないか。ペンス氏自身がシンクタンクで育まれた人材だ。1990年代にインディアナ州の中規模シンクタンクの所長を務めている。当時からヘリテージ財団などと交流があり、保守系のシンクタンクとの関係は密接だった。

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