誰かに秘密を伝えるということは、信頼関係なしにできるものではない。同盟国に機密情報を伝えるのも、これと同じである。トランプ米大統領は同盟国からもたらされた機密情報をロシアに漏らしたことで、信用ならない人物だと自ら表明したようなものだ。これによって、米国の安全保障は深刻なダメージを負った。
諜報活動における信頼関係は崩れやすい
機密情報の共有は、相互の信頼関係に基づいており、その構築には何年もかかる。そこには互いに危険を冒して得た情報を保護することも含まれる。諜報活動における信頼関係は崩れやすいものだ。裏切りだけでなく、ミスによる情報漏洩によってですら、関係は切れてしまう。トランプ氏が行った行為とは、まさにこのことだ。
同氏がロシアに伝えたのは、ノートパソコンに爆弾を仕込んで旅客機を墜落させるというイスラム国(IS)のテロ計画だが、実行場所など欧州の同盟国に伝えられていない情報が含まれていた。
コーツ米国家情報長官と米国に存在する16の諜報機関のトップにとっての問題は明白だ。トランプ氏は国家の最高機密を守るつもりがあるのか、ということである。これは諜報機関と大統領の関係を根本から覆す問題だ。
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