「日本の生産性」は、どうして低すぎるのか D・アトキンソン×伊賀泰代×木下斉が語る
ダイバーシティ、ワーク・ライフ・バランスなど、働き方をめぐり、さまざまな議論が行われている。なぜ今、働き方が問われているのか。それは、日本がいよいよ本格的な人口減少社会に入ってきたからだ。働き手が減っても、経済水準を大きく落とさないようにするためには、労働者1人あたりの生産性を高める必要がある。
今回、東洋経済新報社が開催した「超・生産性会議」では、重要文化財の補修を手掛ける小西美術工藝社のデービッド・アトキンソン社長、キャリア形成コンサルタントの伊賀泰代氏、そして、まちビジネス事業家でエリア・イノベーション・アライアンス代表理事の木下斉氏の3人に問題点を整理してもらい、議論を交わしてもらった。
日本の銀行はいつまで女性行員を窓口に張り付けるのか
そもそも日本の生産性は低いのか。この単純な疑問に対し、アトキンソン氏は1人あたりGDPを用いて検証した。「日本のGDPは世界第3位。でも、1人あたりGDPで見ると、3年前が24位、2年前が27位で、昨年は30位というように、年々低下している」。
1人あたりGDPは、GDPの総額を総人口で割って求められる。GDPは国内総生産のこと。一定期間中、国内で生み出された付加価値の総額を示す。それを総人口で割って求められる1人あたりGDPが国際比較で低いのは、国民1人が生み出す付加価値が低い、つまり生産性が他の国に比べて低いことを意味する。
ではなぜ生産性が低いのか。
アトキンソン氏は、銀行窓口に座っている女性行員を例に挙げ、なぜ日本企業の生産性が低いのかを指摘した。
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