ぐっちーさん「築地に最先端の木造建築物を」

豊洲の維持費用は年21億円で済むわけがない

その意味では豊洲はアジア全体の需要に対応させ、築地は観光客などを集めるまさに東京のインバウンドの柱として存立させるという発想はありうることです。単に市場を分けた、のではなく、全く目的の違うものを2つ作る「アウフヘーベン」という発想ですね。

となると、ここからの問題は「築地をいかに安く、効率的に作るか」ということに問題は集約されます。それこそ「銀座のライバルはドバイだ」、などとバカなことを言って建てたギンザシックス関係者の「二の舞」になってはなりません。

あれは純粋に民間なので、とやかく言っても所詮はオーナーさんの問題ですが、築地は東京都の土地です。つまりは都民の土地なのですから、維持費もカバーできないような「化け物」の「鉄筋コンクリート50階建て」、なんてものを、ゼネコンと有名建築家に騙されて作ってはいけません。そうなれば、それこそ、われわれが地方創生プロジェクトにおいて散々見て来た「墓標」そのものなのです。そんなものを、東京のど真ん中に作ることは絶対に許されない。

「世界に誇れる築地を作る」とは?

「東京のランドマーク」にしようとするのであれば、日本らしくてかつ、維持費が最もかからないのは木造建築物を作ることです。

米国のシアトルなど、サステナビリティーを重視する最先端地域では、すでに木造建築が主流になりつつあります。例えば10階建ての木造建築で、十分な断熱効果を持たせて、エアコンなどの光熱費がゼロ、というような建物が、すでに実現しているのです。

この際、築地一帯をオール自然エネルギーで賄う「コジェネレーション」という考え方は大いにありなのではないでしょうか。これなら世界の最先端を行く、東京の中心にふさわしい最高のプロジェクトですし、木造建築でも十二分に断熱が可能で、ほぼ太陽光だけで光熱費が回せることはわれわれのオガールが岩手県で証明済みです。その大規模なものを作り出せるなら、東京都として、築地は世界に胸を張れるランドマークになり得るのではないでしょうか。

ドイツなどの取り組みを挙げるまでもなく、ここであの築地につまらない、大手資本しか絶対入れないような構造のビルを建てることは都民の負担を考えても現実的ではありません。ここで重要なのはどういうテナントが入るかというコンテンツであって、銀座のオリジナルブランドが入っていない、何度も申し訳ありませんが、「ギンザシックス」の二の舞だけは避けたい。

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