ぐっちーさん「築地に最先端の木造建築物を」 豊洲の維持費用は年21億円で済むわけがない

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都知事がどこまでお考えなのかははっきりしませんが、ビジネスの立場から言えば、豊洲を「第2の築地」ではなく、全く別な大型冷凍・冷凍ハブとしての機能に特化させるなら、羽田空港に近い、という特性を生かして、アジアの水産加工ハブの地位を確立できる可能性は、今ならまだ十分あります(この分野では日本がリードしている技術分野がまだたくさんあるため)。それは、豊洲の生き残り策の一つになり得ると考えます。

ワタクシが「築地の機能をそのまま豊洲に移すくらいなら、築地を再開発して豊洲は爆破したほうが安い」、といっていたのは冗談でもなんでもありません。

東京都の試算では豊洲の赤字を年間21億円と見積もっていますが、われわれが過去に実際に建設し、日本全国で調べ上げたデータでは、そんなもので済むはずがない。RC(鉄筋コンコンクリート)建築ではその施設単体でカバーせねばならない維持コストは、通常「20年で建設費の3倍」と言われており、恐らくあれだけの冷凍施設を装備している豊洲はこんなものでは済まないはずです。

その意味では、豊洲は維持コストだけで「20年で8000億円程度」は最低かかることになり、もし収益がゼロであれば都民の負担はその20分の1、つまり年間400億円ほどになってくる計算になります。これを豊洲単体でカバーするのはほぼ不可能なのは当然で、「築地と抱き合わせる」のが手っ取り早い、というアイデアは当然出てくるでしょう。

「築地ブランド価値」は年賃料160億円どころじゃない

一方、築地の持つ「ブランド価値」については現在東京都の計算上、どこにも上がっておらず、この「ブランド価値(のれん代)」についてはM&Aなどをやる場合には必須のコストとして計算されますので、それを考えれば築地の価値は極端に言えば、無限大かもしれません。

少なくとも、都が計算している年間賃料160億円などという数字にはとどまらないことは確かです。このあたりの話については、市場問題PTのレポート(容量が重いので注意してください)に詳しく出ていますので、そちらもぜひご覧になってください。

ただし、心配なのは先ほど申し上げたように、ただでさえ、高齢化・人口減少や、食料嗜好の変化によって需要が減る可能性がある卸売市場という機能を分割して、果たしてそれだけの需要があるかということですね。

次ページ結局、問題は築地をいかに安く、効率的に作るか 
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