この原稿は中国・上海のホテルで書いている。などと、またまた「僕は出張してるんだモード」になってしまうのだが、本当のことなのでどうかお許しを。
花園飯店は「上海の中にある、超日本的な空間」
宿泊しているのは、花園飯店ことガーデンホテル上海である 。フランス租界時代の面影を残した瀟洒な建物で、ホテルオークラが経営している。つい先ほど、2階の「山里」で小鉢5点盛りに、煮物、焼き魚、のりにご飯に味噌汁に香の物、という優雅な朝食を食べてきたところ。ああ、何というぜいたくであろうか。せめて帰国の飛行機出発の時間までに、こうやって原稿でも書かねば申し訳ない。
日本人が中国にいると、いろんな意味で緊張感を覚えるときがある。国際都市である上海においてさえ、「反日デモ」の記憶はそこかしこに残っている。まして今年は秋に共産党大会を控える微妙な時期だ。何が起きるかわからないと心得るべきである。
ところが、この花園飯店の中だけは完全に「日本」なのだ。館内はすべて日本語でオッケー。言葉が多少カタコトであっても、従業員のサービスはちゃんとオークラ流である。ときには中国にいることを忘れてしまう。どうかすると館内で、「おーい、こっちだ、こっちだ」などと大声で叫んでいる日本人客が居たりする。
しかもありがたいことに、部屋にはウォシュレットがついている。上海には国際標準の5つ星ホテルがわんさかあるけれども、そういうところはごくまれである。やっぱりわれわれはこれがないとダメなんだよねえ。
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