豊島区議会で「2つのパワハラ防止決議」の怪 小池都知事の地元で何が起きているのか
小池百合子東京都知事の地元・豊島区議会で、奇妙な出来事が起こった。平成29(2017)年第2回定例会初日の6月14日、2つのパワハラ防止決議が議決されたのだ。
ひとつは「都民ファーストの会豊島区議団前幹事長本橋弘隆前豊島区議会議員の事務局職員に対するパワーハラスメント行為について猛省とより誠実な謝罪ならびに再発防止を求める決議」で、提出者は村上宇一自民党豊島区議団幹事長など6人の自民党の区議たち。もうひとつは「区議会事務局職員へのパワーハラスメント行為について再発防止に努める決議」で、提出者は森とおる日本共産党豊島区議団幹事長以下6人の共産党の区議団だ。
内容は共に、区議だった本橋弘隆氏が区議会事務局の職員を厳しく恫喝した事件を対象としたもの。では、なぜこのように分けられてしまったのか。
あまりのけんまくにショックを受けて失神
豊島区議会の自民党は昨年の東京都知事選をきっかけに、小池氏を応援する5人が離脱して12月13日に「都民ファーストの会豊島区議団」を結成した。これに伴い、その後の最初の区議会が開かれた2月17日に議席の移動が行われたが、自分の氏名柱(議席の机に立てられている氏名を記した札)を持って移動しなければならないことに本橋氏が激怒。事務方の責任者である栗原章事務局長を激しく叱責したのである。
これに同席した職員が本橋氏のあまりのけんまくにショックを受けて失神し、救急車で搬送されるという事態にまで発展したのだ。
そのときの様子はどうだったのか。
栗原事務局長がその場に居合わせた一般職員6人を対象に行ったアンケート調査(複数回答可)によれば、「恐怖を感じた」が3人、「怒りを覚えた」が1人、「恫喝だと感じた」が3人、「大人げないと思った」のが2人、「なぜこのようなことをするのか不思議に思った」のが3人、「特に問題のある行動だとは思わなかった」が1人、「気分が悪くなった」が1人という回答になっている。
これに加えて、「事務局が叱責されていると感じた」や「事務局と議員の関係でもパワハラであるといえるのでは」「一時的な感情の爆発だ。早く終わってほしいと思った」などの意見もあった。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら