おカネは「人生100年時代」にいくら必要か 日本の人口減少に悲観的になる必要はない

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今後確実に進むと見られているわが国の人口の減少は、経済の文脈では、労働力人口の減少として、また、需要の減少要因としても、ネガティブに語られることが多い。

先に、概ね歓迎した有効求人倍率の高まりにも、短期的な経済状況の改善だけではなく、この長期的な労働力人口の減少の影響が現れていると考えるべきだ。現在、日本経済が、本格的人手不足時代の入り口に立っている可能性はゼロではない。

もっとも、人口が減少してGDPの成長率が低下するとしても、「1人当たりGDP」が伸びるのであれば、個々人の幸福にとって問題はないと考えるべきだろう。もちろん、全体が成長することに反対する必要は微塵もないので、経済成長に対して消極的になる必要はない。ただ、人口減少をそう悲観的に捉える必要はないというだけのことだ。

「人生100年時代」に備えるためにはいくら必要か?

ただし、人口減少の過程で進む、世代別の人口構造の変化に対しては、社会も個人も対策を講じる必要があるだろう。個人としては、「人生100年時代」に備える必要がある。

手前味噌で恐縮だが、筆者の近著『人生にお金はいくら必要か』(岩城みずほ氏と共著。東洋経済新報社)では、「あなたは、いくら貯蓄をする必要があるか?」をザックリ計算することが出来る計算式の使い方を通じて、人生とおカネの問題を「その人なりに」シンプルに解決する方をご紹介した。

必要貯蓄率の計算式は30秒もあればできる。ぜひこちら(あなたは65歳までにいくら貯めればいいのか)を見ていただきたい。(なお他サイトの仕様により、計算は「東洋経済オンライン」でしかできないので、あらかじめご了承いただきたい)

拙著では、シンプル且つ安心におカネを運用する方法をできるだけコンパクトに解説したが、人口減少との関係で、「人口が減少して、低成長になるのだから、日本の株式を買っても儲からないのではないか」という心配について、ご説明しておきたい。

結論から言うと「心配ご無用!」だ。理由は、株価のような資産価格が決定される仕組みにある。

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