「女性が長く活躍できる職場」は何が違うのか アマゾン・アクセンチュア・アビーム座談会
桑原:その通りですね。「ポジションが上がること」を恐れないことは意識すべきポイントです。
私は時短勤務で子育てと仕事を両立しながら管理職になりましたが、ポジションが変わった途端に見えていた景色ががらりと変わりました。
今まではお客さまの役に立つことが最大の喜びでしたが、今はそれだけではなく、チームメンバーの成長を実感できることがうれしいですし、組織に何か課題があればそれを変えていけることもやりがいにつながります。
小野:やりがいもキャリアビジョンも、その時に置かれている環境によって変化するものですよね。
私も新卒の頃は「起業したい」と考えていましたけど、今はまた目標が変わりました。「絶対にこうならなきゃだめだ」と自分のキャリアをがちがちに決めてしまって息苦しくなるよりは、日々の仕事を楽しみ、成果にこだわり、周囲の人の信頼を勝ち取っていくことで、その時々で自分にとって最良の選択ができるように準備しておくといいですね。
自分の限界を決めるのは、自分自身
――改めて、皆さんにとって「仕事」とは何なのでしょうか。
桑原:「自分の一部」です。多くの人から必要とされる喜びを感じますし、そもそも、自分が仕事をしていない人生を想像できません。
あと、子どもにも「ママ頑張ってるよ」って姿を見せたい。働く私の姿から、きっと何か感じ取ってくれるものがあるはずだから。
木戸:私にとって仕事は、「周囲に価値を還元していく手段」。仕事を通じて、より多くの人々の役に立つことで、自分自身が社会の一部であることを感じられます。
小野:よく分かります。仕事があるから自分の成長を実感できるし、目標もできる。
一方で、私もかつては結婚や出産に際して、「仕事か家庭か、どちらか選ばなければいけないのかなぁ」と悩んでいた時期がありました。責任ある仕事を任せてもらっても、育児で職場を離れてしまっては会社に迷惑がかかるのでは、と思い込んでいたのです。
でも、当時の上司が「その時が来たら仕事の責任は上司に任せていい。あなたは自分の人生の責任を負うために、目指すキャリアを第一に考えなさい」と言ってくれました。そこで、自分にキャップをしていたのは自分自身だったと気付くことができたのです。