「内定承諾書」を書いた後の辞退は可能か? 売り手市場でせかす採用担当者への対処法

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現在、有期労働契約の上限は原則3年ですが、かつては労働者からの解約がしやすいようにという配慮から、1年が上限でした。

そのため、労働基準法附則137条では「民法の規定にかかわらず、当該労働契約の期間の初日から1年を経過した日以後においては、その使用者に申し出ることにより、いつでも退職することができる」と規定されており、有期労働契約でも1年経過すれば、労働者からの一方的な解約の自由が保証されています。

内容証明郵便で内定辞退の意思表示も

とはいえ解約でも契約の基本は合意です。たとえ法的に問題がないとしても、トラブルは避けるに越したことはありません。社会人の常識として、就職するつもりのない会社には、早めに内定辞退の申し入れをすべきでしょう。土壇場になればなるほど、トラブルの可能性は高くなります。翌年の後輩の就活に影響がないとも限りません。

内定辞退のために、会社からの呼び出しに応じる必要はありませんが、誠意を持って対応したいものです。誠実に対応することによって、もしかしたらその企業が将来の取引先になるかもしれません。もしトラブルになりそうであれば、1人で抱えず、早めに親や学校に相談しましょう。

内定辞退を認めないと脅してくる企業に対しては、内定辞退の意思表示を書面にして内容証明郵便等で送付する、などの対応も必要になります。場合によっては、都道府県労働局や労働基準監督署等の行政や弁護士、社会保険労務士等の専門家に相談する必要も出てきます。

翠 洋 社会保険労務士

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みす ひろし / Hiroshi Misu

BIO国際行政書士事務所・中央社労士オフィスみす代表。国際基督教大学卒業後、ラジオたんぱ(現・ラジオNIKKEI)に勤務。NHK「ちきゅうラジオ」ディレクター、LEC専任講師を経て、行政書士法人で日本ビザ申請代行業務に従事。特定行政書士、特定社会保険労務士、ファイナンシャル・プランナー(AFP)、ロングステイアドバイザー。趣味はアルトサックス演奏、国内外の温泉巡り、愛犬ビオ(スタンダードプードル)とのドライブ。「語学オタク」(TOEIC 945点、中国語コミュニケーション能力検定TECC 883点、ハングル能力検定 準2級)。

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