監督も想定外!「半沢直樹」メガヒットの裏側 なぜ、銀行ドラマが視聴率30%を叩き出せたのか?

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あとは、悪役は悪役らしく、ヒーローはヒーローらしく、わかりやすく。『用心棒』では、新田辛之吉を演じた加東大介さん、清兵衛の女房おりんを演じた山田五十鈴さんのような名優が悪役を見事に演じている。今回も、国税局の黒崎を演じている片岡愛之助さん、東田を演じる宇梶剛士さんなど、悪役としてオファーをして“わかりやすい悪役”として出演してもらっています。キャスティングは基本的にはプロデューサーがやっているのですが、小木曽役に緋田康人さんを連れてきた時は“完璧!”という感じでした(笑)。

――監督はバブル入社世代についてどう思いますか?

僕はバブル入社の少し上の世代で、バブル時代にAD(アシスタントディレクター)をしていました。当時は、今では、考えられないくらいドラマの制作費があり、バンバンカネを使っていました。その割に、いい作品が少ない。ほとんどが接待、飲食に消えたのではないでしょうか。バブル時代を謳歌した世代が、今や、1000円、2000円でうるさく言ってくる。それはイラつきますよね(笑)。

堺さんには半沢直樹が乗り移っている!?

――もうひとつの要因は。

それは、堺雅人さんの演技です。今回のキャスティングでいちばん“ハマった”のは、堺さんですね。堺さんのキャスティングはTBS60周年記念のドラマ「南極大陸」(2011年)で一緒にやっていたので、プロデューサーとも意見が一致しました。

堺さんも原作を面白いと思っていただいて、一生懸命面白いところを抽出していただいています。現場では、堺さんとよく話し合いながらやっていますね。今では、僕以上に「半沢直樹」を熟知して、撮影所では半沢直樹が乗り移っていると感じるくらい(笑)。

ただ、この2つの要因があったら、視聴率20%取れるかというと、そうではない。最後に20%取ろうと思っていたんですから。次にこういう作品を作れと言われても、全然、自信ないですよ。

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