監督も想定外!「半沢直樹」メガヒットの裏側 なぜ、銀行ドラマが視聴率30%を叩き出せたのか?

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――半沢直樹の魅力は?

半沢直樹の魅力は、自分の信念を曲げないこと。そのくせ、「やられたらやり返す」というわりに、「悪かった」と言えば許してしまう。謝ってきた人は許す、結構“いいやつ”です。ただ、ひどいことをしてきたのに、謝らず、我を通してくるやつには“とことん”徹底的にやる。池井戸先生も頭取になるまで書くとおっしゃっているので、今から楽しみでしょうがないですね。

これまでのドラマでは、これという、似たような作品を思い出せませんが、個人的にはやはり映画『用心棒』ですかね。

――「倍返し」が流行語大賞という声も出ています。

もちろん重要なセリフなので印象的なシーンとしては描いていますが、流行語大賞になるなんて意識しないで作りましたよ。ただ、小説では「私は基本、性善説~」というそれまでのくだりは活字だとわかるのですが、ドラマのセリフではわからない。だから「人の善意は信じます」に変えましたね。

日曜9時に「スカッ」としてほしい

――片岡愛之助さんがとてもいいキャラクターとしてドラマを盛り立てています。

そうですね。原作にも出てくるオネエ言葉は飛び道具じゃないですか。一歩間違えると、はじかれる。ああいう役は日本の歌舞伎役者にやってもらうしかないと(笑)。プロデューサーとも意見が一致して、これまで仕事をしたことがある愛之助さんに頼みました。でも、社内ではオネエ言葉の国税局員なんか、出さないほうがいいという意見もありましたが、押し通しました。あんな人はいないと思うのですが、原作に書いてあるから仕方がない(笑)。

――最後に、今後の「半沢直樹」、楽しみにしております

最初は、最終回で20%とろうと思っていたので、今、夢の中にいるような感じです。ただ、今まさに撮影中なので、浮かれてもいられません。撮影も編集もしている真っ最中。まだ、5話目で、あと5話残っています。皆さんの期待を裏切らないように頑張っていきたいですね。

やっぱり「半沢直樹」を見て、日曜9時に「スカッ」と物語を楽しんでもらいたいです。だって、あんな人いないでしょ!?

(撮影:今井 康一)

林 智之 ライター
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