新入社員が「配属後」に掘りがちな6つの墓穴 「研修中は良かったのに」と思われる人の特徴

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今回は、「電話の取り次ぎで不手際をした」「名刺の交換でミスをした」といった、ありがちなマナー系の失敗ではなく、それ以上に重大な信頼失墜を招きかねない、ビジネスパーソンとしての「姿勢」に関する、新入社員が掘りがちな6つの墓穴についてフォーカスします。

そのうえで、どうすればそれを回避できるかをMBA的、経営学的な観点から紹介しましょう。

具体的には以下の項目になります。

新入社員が掘りがちな6つの墓穴

(1)知ったかぶりをする
(2)メモをとらない
(3)ミスやトラブルを隠す
(4)答えをすぐに欲しがり、質問をまどろっこしく感じる
(5)いつまでも新人気分でいる
(6)マーケティングや営業を自分の仕事でないと思ってしまう

まず、(1)知ったかぶりをする、(2)メモをとらない、(3)ミスやトラブルを隠す、の3つは、結局は想像力の欠如や、上司、先輩の機会費用への無関心さと関連してきます。

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知ったかぶりをし(するべき質問を怠り)、またメモをとらないことは、ひょっとしたら自分の虚栄心を満たすためかもしれませんが、結局は同じミスを繰り返すことになり、組織全体としての生産性を著しく下げます。

自分の先輩や上司には、その時給以上に大きな機会費用(同じ時間があれば別の生産的な仕事をする機会がある)が生じていることを正しく認識する必要があります。これは時間に比較的余裕のある学生にはなかなかイメージしづらい感覚です。

機会費用は経営学では非常に重要な概念かつ、正しく認識されていない概念の代表でもあるので、それをしっかり意識したいものです。

ミスやトラブルを隠すのは、確率的判断の失敗とも言えます。面白いもので、1のダメージですむ確率100%のケースよりも、100のダメージにつながる確率5%のケースのほうを選ぶ人は少なくありません。MBAの定量分析的に言えば、後者のほうがダメージの「期待値」が高いにもかかわらず、確率に引っ張られてしまうのです。

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