生中継が生んだ「稼ぐ21歳アイドル」の素顔 年収1億円を超えるパフォーマーもいる

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中継部屋の床の上に積み上げられた、安っぽいコスプレの衣装

パソコンの背後には、脱ぎっぱなしの服が床に積み重なり、小高い山になっていた。そこだけが本当の一人暮らし女性の部屋のようななまめかしい実感があったが、小型カメラのレンズの視界には入っていない。その服を拾い上げて広げてみると、どれも深夜のドン・キホーテで売っているような安っぽいコスプレの衣装だった。

中には下着と見まがうようなかなりセクシーなものもある。胸の部分が裏返り、パッドが丸見えになった黒っぽいミニのワンピースを拾い上げた私に、「それは警察の制服ですよ」とひとかけらの恥じらいもなく教えてくれるあたりは、何に関しても大らかな、いかにも中国人だった。

「1日に7、8回服を着替えます。たくさんの人が見ているから、10分待ってなんて言えないです。基本的には30秒くらいで着替えます」

もちろん、カメラの前で生着替えをするわけではない。着替えている間は生中継の画面には静止画が流れる。毛毛がそう述べるのは、静止画が長くなれば、視聴者が逃げてしまうからだ。

スマホでできるネット生中継

ここで、ネット生中継の仕組みを説明しなくてはいけない。ネット生中継を可能にしているのは、その技術的な仕組みを提供している業者だ。プラットフォームと呼ばれ、簡単に言えば生中継ができるアプリを作っている。

利用者はそのアプリを自分のスマホにダウンロードし、アカウントを作ってスタートボタンを押せば、スマホに映ったものがそのプラットフォームのウェブサイトやアプリ上で生中継される。

中継部屋の風景

映像の送り手がいて、その映像が不特定多数の目にさらされるという関係は、テレビの地上波放送と一緒である。両者の違いは、テレビ局が高額な送出機器で放送するのに対し、ネット生中継はスマホやパソコンという身近な民生機で発信できる。テレビ局が番組を飛ばすのに国から決められた周波数の電波を使用するのに対し、ネット生中継はインターネット回線。リアルタイムで動画を送る生中継は、これまで高額な機器と高度な技術を持つテレビ局のような限られた者しかできなかったが、ネット生中継の出現はそれを個人にも開放したのだ。

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