生中継が生んだ「稼ぐ21歳アイドル」の素顔

年収1億円を超えるパフォーマーもいる

「踊るとき少し大胆になります。顔は幼いけど体つきはちょっとセクシー。私の売りは、顔とスタイルとのギャップです」

細い体には少し大きめの淡い色のコートを羽織った毛毛(21歳)は、自分の「売り」をそう説明した。毛毛は現役の大学4年生。約1カ月前からネット生中継を始めた。肩まで掛かる栗色の染めた髪。よく見るとおデコやほおにニキビの跡が残っていて、自身でも認めるように幼さが残る。

黒目がちで澄んだ瞳に見つめられると確かに萌えるが、顔の造作は中国人基準にしては地味で、街を歩けば誰もが振り返るというほどの美貌の持ち主ではない。むしろ雑踏に紛れてしまうだろう。毛毛に最初に会ったときには、「え、この娘がネットアイドルできるの?」と正直思ったほどだ。

毛毛に出会ったのは去年11月の上海。ネット生中継のパフォーマーをマネジメントする会社が設けた「中継部屋」の中だ。毛毛もその会社に所属している。

最初に会ったときには、「え、この娘がネットアイドルできるの?」と正直思ったほど

大切なモノは「水」

「中継部屋」の広さは4畳半ほど。最も重要なアイテムはデスクの上に載ったパソコンとその上についた小型カメラ。デスク上には化粧品や鏡が散らばっている。パソコンに向かって座るとアームの先についたマイクがちょうど目の間にくる。カメラの背後には強い光量を放つライトが設置してあり、デスクに座る毛毛の顔を白く照らす。毛毛の背後は、トランプのキングやクイーンのイラストが描かれた白いタンスと、絵が数枚かかった壁である。パソコンの上に設置された小型カメラの視点から見れば、ちょうど毛毛の自宅の部屋という作りになっているのだ。

「トークでは視聴者を惹きつけられないから」

ネット生中継の新人パフォーマーである毛毛のファンは4000人くらいという。この部屋で大切な物は何?と聞くと、ちょっと考えた後で「多分、水でしょう」と足元に置かれた数本のPETボトルを指した。

「みんな部屋を見ているわけではなく、人を見ています。部屋はシンプルならばシンプルなほうがよりいいです。私はまだ新人ですから、あまりうまく話せず、トークでは視聴者を惹(ひ)きつけられません。だから、なるべくたくさん踊って惹きつけるようにします。それでいつも水をたくさん飲むのです」

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