「新たなプラットフォームを作る。それは資本市場から得られる満足感より大きい。これがわれわれの真実の夢です」
集まった100人近い社員の前で熱く語る男性がいた。ゆるくパーマのかかった髪はおそらく手でなで付けただけだろう。外見には無頓着そうだが、銀縁のメガネの奥に鋭く光る瞳は意志の強さを想像させた。
2016年9月、ネット生中継の新プラットフォーム「夢想生中継」を立ち上げた呉雲松CEO(37歳)だ。
売り上げは毎月6倍のペースで増加
北京の繁華街に立つモダンな商業ビル三里屯SOHOの15階にあるオフィス。日本でいえば会社が六本木ヒルズの中にあるようなものだ。今、中国ではネット生中継サービスを提供する会社、つまりプラットフォームは300以上あるといわれる。乱立期であり戦国時代である。そうしたなか、呉はプラットフォームの先駆けの1つで大手の「花椒生中継」から独立、自ら1000万元(約1億6000万円)を投資し、あえて新プラットフォームを立ち上げた。呉は強気だ。
「今月の売り上げは600万元(約9600万円)です。毎月6倍のペースで増えています。月に数十億元(数百億円)は簡単に達成できるでしょう」
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