「子づくり」まで生中継する中国ネットの病弊

行き過ぎた「生中継ビジネス」はどこへ?

呉雲松CEO(37歳、画面右手の皮ジャンの男性)と新プラットフォーム「夢想生中継」の社員たち。呉CEOが社員を前に「新たなプラットフォームを作る」などと抱負を語っている
中国ではパソコンやスマートフォンからネット回線を使って手軽にできるインターネット生中継が大流行している。多くの素人が歌や踊りを披露するパフォーマーとなり、ブレークすれば中国語でネットアイドルを意味する「網紅(ワンホン)」と呼ばれる。
2016年には、この「網紅」が大量に生まれ、「ネット生中継元年」と称された。そのきらめく世界の「実態」と「儲けの仕組み」を5日連続でリポート。最終回は行きすぎた生中継がもたらす害悪について考える。
=敬称略=

 

本連載は5月15~19日まで5日連続で5本の記事を掲載します

「新たなプラットフォームを作る。それは資本市場から得られる満足感より大きい。これがわれわれの真実の夢です」

集まった100人近い社員の前で熱く語る男性がいた。ゆるくパーマのかかった髪はおそらく手でなで付けただけだろう。外見には無頓着そうだが、銀縁のメガネの奥に鋭く光る瞳は意志の強さを想像させた。

2016年9月、ネット生中継の新プラットフォーム「夢想生中継」を立ち上げた呉雲松CEO(37歳)だ。

売り上げは毎月6倍のペースで増加

北京の繁華街に立つモダンな商業ビル三里屯SOHOの15階にあるオフィス。日本でいえば会社が六本木ヒルズの中にあるようなものだ。今、中国ではネット生中継サービスを提供する会社、つまりプラットフォームは300以上あるといわれる。乱立期であり戦国時代である。そうしたなか、呉はプラットフォームの先駆けの1つで大手の「花椒生中継」から独立、自ら1000万元(約1億6000万円)を投資し、あえて新プラットフォームを立ち上げた。呉は強気だ。

「今月の売り上げは600万元(約9600万円)です。毎月6倍のペースで増えています。月に数十億元(数百億円)は簡単に達成できるでしょう」

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