共働き育児が「綱渡り」を脱するための3段階 これができたら会社でも立派なリーダーだ
浜屋:「見なおす」際には、ぜひ、人に助けを求めることはいいことなんだという「ヘルプシーキング」発想を持って柔軟に考えていってほしいですね。と同時に、子どもを育てるうえで、何を大事にしたいのか、という教育観や価値観といったものを折にふれて、少しずつでも水面上に出しておくことが大切ですね。「家に来てもらうベビーシッターには抵抗がある」とか「食事だけは手作りのものを食べさせたい」など、こだわりを持っている場合は、どこにこだわりがあるのかを、きちんと話し合う。そうやって問題の本質を見極めながら見なおしていかないと、なかなか根本的な解決ができません。
中原:特に教育観の部分は難しいところですよね。さらに、子どもが大きくなってくると、「中学受験をさせるかどうか」「どんな習いごとをやらせるのか」といったところでもめがちです。正解がない分、それぞれの成育歴や価値観の違いが浮き彫りになってくるからです。そこでもめないためにも、子どもが小さいうちから、「お互いに何を大事に思っているのか」ということを、話し合いながら共通認識を持っておくべきかもしれません。
一方で、「子育てをするうえで何が大切なのか」「そもそもなんのために働いているのか」など、教育観や人生観といった大事な部分での大きな問題に気づいてしまった場合は、単に役割分担を変えるようなものではなく、高レベルな見なおしが必要になってきます。
浜屋:高レベルの見なおしとは?
中原:そもそもの「前提条件」を変えるような見なおしです。転職するとか、家を引っ越すとか、大きな決断を必要とするものです。
浜屋:なるほど。「時短勤務にする」「働き方を変える」「夫が育休を取る」などというのも高レベルの見なおしですね。こうした高レベルの見なおしをする際に大切なのは、今、直面している問題がずっと続くものなのか、一時的なものなのかを見極める冷静さを持つことでしょうね。子育てをする中で起きてくる問題は、一時的なものであることも多く、時間の経過とともに、また違った問題が浮かび上がってくることがありますから。ある程度、中長期的な視野を持って考える必要があると思います。
家事代行もシッターも、気になるなら「やってみる」
浜屋:最後は第3ステップ「やってみる」です。おっしゃるとおり、順調にいくことも、手を焼くことも長くは続かないのが育児だと考えて、まずは気軽にやってみることが大事だと思います。家事サービスもベビーシッターも、気になっているのであれば、まずは1度、利用してみて、それから自分たちのチーム育児に取り入れるのかどうかを判断すればいい。
中原:子育ては壮大な実験ですから、正解を決め付けず、トライ・アンド・エラーでいいんですよ。やってみて、またふりかえって見なおせばいいんですから。