共働き育児が「綱渡り」を脱するための3段階 これができたら会社でも立派なリーダーだ
浜屋:あとは、家事、育児の負担感が強くなってしまう原因のひとつとして「○○すべき」という勝手な思い込みが、自分を縛ってしまうこともあります。
私は1人目が生まれた当時、「夫の朝ご飯は私が作るべき」と思い込んでいて、子どもが夜泣きしてろくに休めなかったときも、無理に早起きして朝食を作っていたのですが、夫に「朝は何か自分で適当に食べるから作らなくていいよ」と遠慮がちに言われ、拍子抜けした後、ずいぶん楽になった経験があるんです。やるべきと思い込んでいたけれど、実はやらなくてもいいことや、ほかのサービスに頼むなどの解決策が見えてくる場合もあるように思います。
中原:掃除はルンバに頼むとかね。あと、お互いの仕事の状況、働き方について話をする、ということも大事なポイントだと思います。女性活躍推進に関する調査によれば、子育て中の働く女性は、そうでない女性に比べて家の中で仕事の話をしない、という調査データがあります。
共働き育児をしている夫婦の場合、家の中ではどうしても子どもの話題が中心になってしまいます。そのため、仕事のスケジュールの話はしていても、仕事の中身の話はあまりせず、お互いの変化に気づきにくいということがあるように思います。
浜屋:そうですね。仕事自体は変わらなくても、人間関係が変わったり、ビジネス環境が変わったり、働く環境、体調やモチベーションなども刻々と変化していきますしね。何か問題が起きてからふりかえる、というのではなく、こまめに、ちょっと不安を感じたり、違和感を覚えたりするたびに、ふりかえって話し合う時間を持てるといいですよね。
「見なおす」対象は2種類ある
浜屋:ステップ2は「見なおす」です。ステップ1で、ふりかえりをしたうえで、現状のやり方を見なおし、改善策を考えるということです。
中原:ここで「見なおす」対象となるのは、低レベルなものと高レベルのものと、2種類あるように思います。
まず、低レベルなほうでは、「保育園の送迎は誰が行くのか」「急な発熱の場合、誰がお迎えに行くのか」といった役割分担の問題です。これはもちろん、夫婦2人だけの問題ではなく、祖父母などの親戚や、保育園、ママ友、ベビーシッター、ファミリーサポート、病児保育など、育児にかかわる周囲の人、さまざまなサービスを含めて見なおしてみることですね。