アジア諸国は急速に中国になびき始めている トランプ氏が招く米国離れ

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フィリピンのドゥテルテ大統領は、これまでの人権弾圧についてオバマ政権からの批判を浴びたことに憤慨し、昨年の北京訪問中に、長年の同盟国である米国との「決別」を表明した。

米ホワイトハウスは、煽動的な態度を取るフィリピン指導者とトランプ氏との対話は「非常に友好的」だったと説明。ドゥテルテ大統領をワシントンに招待したことで、国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチからは「ドゥテルテ氏の血なまぐさい麻薬取締り作戦を事実上容認するものだ」との批判を受けている。

だがドゥテルテ大統領は1日、中国政府との新たな友好関係を強調するかのように、彼の地元に入港した中国海軍艦艇を視察した。中国艦艇がフィリピンをこのような形で訪問するのは数年ぶりである。

「中国政府に圧力をかけるのは無意味」

ドゥテルテ大統領は昨年、南シナ海で広範な領有権を主張する中国に対する国際法上の異議申立てを棚上げして、数十億ドル規模の融資やインフラ投資を巡る交渉を開始した。今回、10カ国が加盟するASEAN首脳会議はマニラで開催され、同大統領が議長を務めた。

ASEAN加盟国の複数の外交当局者によれば、首脳会議に先立って、中国はフィリピンに政府当局者を派遣して働きかけを行っており、各国首脳が集まりもしないうちに、ドゥテルテ大統領は「中国の海洋活動に関して中国政府に圧力をかけるのは無意味だ」と発言していたという。

ロイターが閲覧した首脳会談の共同声明原案には紛争が生じている水域における埋め立てと軍事化についての言及があったが、その後削除された。「緊張」や「活動の拡大」についての言及も同様だ。

クック氏によれば、首脳会談をこのような結論に誘導したのはフィリピンであり、「南シナ海紛争に関してASEAN内に中国の影響力を及ぼす代理人として振る舞うのが、もはやカンボジアだけではなくなった」ことは明らかだと語る。

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