女性に「仕事を頼めない」男は何がマズいのか 女性は男を観察し、評価し、判断している

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見かねた同世代の女性販売員が、こそっと教えてくれました。「サンキューレターって、買ってくれたお客様の顔や会話を思い出しながら、手書きでひとつひとつ書くんだよ。そういうことが分からない人からたくさん書けって言われるとイラッとするでしょ」。

他人のタスクの中身を理解せず「コレやっといて」の一言で無茶ぶりしたら、何もわかってないヤツと女性から反感を買いやすくなる。簡単だけどオトコは全く気づかないロジックです。そこでボクが考えたのは、「何もわからないくせに」と思われないための3つのお作法です。

・相手のタスクに「これ、どうやってやるんですか?」と関心
 ・素で「マジっすか、すごいですね」と感心
 ・タスクをやっていただいたあとに「助かります。ありがとうございます」と感謝

 

そして、実際に販売員がどれくらいの数のサンキューレターを書いたかをチェックするのは放棄しました。それでも、毎月あがってくる報告を見ると、ボクの担当店はサンキューレターをはじめとした接客サービスの数値が他店より不思議と高い。相手のタスクに関心と感心と感謝を示せば、自然と相手はやってくれる。無茶ぶりのやらかしから学んだお願いのお作法です。

大事なのは、「自分のために何をしてくれたか」

最後の「力を貸してください」のやらかし経験をしたのは、リーダー職になった20代後半のこと。周りの女性メンバーから気づかぬうちに「あの人と働くのイヤなんですけど」と“共演NG”を出された事件です。当時のボクは、「自分は仕事がデキる人間だ」と天狗状態。周りのメンバーが嫌がっているなんて、全く気づいていませんでした。周りから聞かされて改めてチームを見渡すと、空気は最悪。「力を貸してください」なんて言える雰囲気じゃありません。

でも時々、自発的に声をかけたり協力してくれる天使みたいなメンバーもいたりして……。不思議に思っていたら、彼女たちから次のような理由を教えてくれました。

「あのとき、私のこと褒めてくれたでしょ」
 「あのとき、具合悪そうだったけど、私たちのために頑張って来てくれたでしょ」

ボクとしてはささやかな行動だったのにもかかわらず、そんなことを理由にボクを支えてくれていたことに驚き、感謝したことを覚えています。優秀かどうか、ビジョンがあるかどうかより、「私/私たちのために○○をしてくれた」かどうかが、女性にとって相手の力になるかどうかの最重要判断基準だということを教えてもらった体験です。

女性にお願いするのが苦手な男性は、女性を動かす魔法のようなお願い法や殺し文句を求めがちですが、女性には小手先のテクニックなど見透かされて効きません。女性はお願いするオトコの行動や姿勢をよく観察し、評価し、お願いに応えるかどうかを判断します。その法則に気づけば、お願いの仕方も自然と変わってくるのではないでしょうか。

タブ タカヒロ ビジネスコンサルタント、はたらく女性のかていきょうし

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たぶ たかひろ / Takahiro Tabu

東亜大学トータルビューティ学科客員准教授。外資系アパレル2社→MBA取得→コンサルティングファームという経歴で現在に至る。新卒でやたらと有能な女性の多い職場で女子力を鍛えられ、海外勤務も経験。MBA取得後、コンサルティングファームにて、男くさいロジックと競争の世界に翻弄され、一瞬自分を見失ったものの、土壇場で開眼。周りを巻き込み味方を増やしてわくわく仕事をするスタイルを確立。週末にライフワークとして行っている「はたらく女性のかていきょうし」は大人気の数カ月待ち。セミナー開催や、雑誌取材など多方面で活躍中。共著に『外資系コンサルはなぜ、あえて「手書き」ノートを使うのか?』(KADOKAWA)。

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