ボクが「手伝ってください」のお願いでやらかしてしまったのは、チームリーダーに昇格し女性メンバー数名を部下として持つことになった20代のこと。リーダーになると企画や計画を立てるタスクが増えて、どうしても忙しくなりがち。女性メンバーたちが自分の担当タスクをこなす一方、ボクが1人でひぃひぃ言っていて、チーム内に「忙しい格差」が生じてる状態。そんなボクを見かねて、女性メンバーの1人が声をかけてくれました。
「何か私に出来ることがあれば、いってください。お手伝いしますよ♪」
その天使みたいに優しい一言に対するボクの回答は……
「いや、(コレはオレしかデキない仕事だから)いい。ありがとう」
それ以降、彼女から「手伝いましょうか?」の天使の一声を再び聞くことはありませんでした。当時のボクは自分だけ忙しい状態に不公平感を抱くどころか、むしろそんな忙しいオレって仕事がデキる♪と悦に入っていました。ただのデキるフリしたデキないオトコです(笑)。「オレにしかデキないから」と断る自分も嫌いじゃない。結果として、自分が気づかないうちにチームの空気は白け、支えあう雰囲気を蒸発させちゃいました。
なぜ、ボクは向こうからの気遣いをむげにしてしまったのでしょうか。後から気づいたことですが、タスクに関する考え方の男女差が、やらかしの原因のようです。
オンナ:みんなと協働して1つのことを仕上げる「お手伝い」的な考え方
オトコはこだわりのプラモデルを最後まで自分で仕上げたいので、タスクを抱えこむ。女性は、相手の力量に応じて、タスクを振り分ける能力が高い。思い出してみてください。母親や奥さんなどは、料理や掃除などを「ちょっと手伝ってくれる?」と振り分けて、みんなで終わらせてしまうのが実に上手ではありませんでしたか?こうして自分のタスクを振り分ける能力の低さに気づいたボクは、「お手伝い的」考え方の訓練を始めて、女性の「手伝いましょうか」の天使の声にようやく「お願い」と言えるようになりました。
仕事内容を知らない人に「お願い」されても聞けない
「コレやってください」のお願いとは、自分が出来ない・担当ではない仕事を「コレやっといて」と無茶ぶりすること。日本の男性に多いやらかしお願いだと思います。ボクが女性下着会社の営業だったころ、販売員からお客様への手書きのお便り「サンキューレター」がリピート率を高めて売り上げを増やすと、上司や先輩から教わりました。
そこでボクは、女性販売員に「サンキューレターをたくさん書きましょう!」とマニュアル通りにお伝えしました。しかし、返ってきた反応の多くが「はァ!?」というもの。
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