検索時代が生んだ「婚活難民」の果てなき迷走 誰にでも出会えるから、誰とも結婚できない

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ところが今は、いくらでも「選べる」時代だから、嫌なところが見つかると、「ハイ、次!」となってしまう。大手結婚相談所には、6万人近い人たちが登録をし、有名なアプリには500万人以上が登録をしているのだから、会おうと思えば、100人でも、200人にでも出会える。

何でも「条件検索」可能になって失われたもの

さらにネット婚活の弊害は、最初に条件検索ができることだ。顔写真があり、年齢、年収、学歴、仕事、趣味などの情報を見て“会ってみたい”と思う人にお見合いの申し込みをする。

条件を踏まえて出会いに臨むと、頭の中にチェックシートを設けてしまう。“写真よりもずいぶん老けているな”“年収が人並み以上にあるのに、ご飯が割り勘なんてケチだわ”“有名大学を出ているのに、メールの文章が幼稚”などと、条件と照らし合わせて厳しい目でジャッジをし、加点するよりもどんどん減点をしていく。

いくらでも選べる時代だからこそ、もう少し、一つひとつの出会いを大切にしてみてもいいのではないか。減点法ではなく加点法で相手を見て、気持ちを育てていってもいいのではないか。

先日、こんな話をお見合い前の女性会員にホテルのロビーでした。そして、その日見合いする男性と引き合わせ、ティーラウンジに入っていく2人を見送った。

見合いを終えた彼女から、こんなメールが来た。

「鎌田さんがお話ししてくださったとおり、加点方式でいこうと思いました。でも、お相手があまりにも固い方で圧迫感がすごく、途中で息苦しくなりました。お断りでお願いします。難しいですね。100%理想を追い求めているわけではないのに」

う~ん、現実はなかなか厳しいものだ。

鎌田 れい 仲人・ライター

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かまた れい / Rei Kamata

雑誌や書籍のライター歴は30年。得意分野は、恋愛、婚活、芸能、ドキュメントなど。タレントの写真集や単行本の企画構成も。『週刊女性』では「人間ドキュメント」や婚活関連の記事を担当。「鎌田絵里」のペンネームで、恋愛少女小説(講談社X文庫)を書いていたことも。婚活パーティーで知り合った夫との結婚生活は19年。双子の女の子の母。自らのお見合い経験を生かして結婚相談所を主宰する仲人でもある。公式サイトはコチラ

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