結婚相談所は、言うまでもなく“結婚をしたい”と思っている男女が登録をする場所だ。利用者の目的は、“恋愛”ではなく明確に“結婚”なのだ。
「お見合い後半年以内」で入籍がほとんど
そこで、いくつかの取り決めがある。お見合いをし、交際に入ったら1カ月後には、“結婚を前提に付き合うかどうか”の意思確認をすること。結婚を前提に付き合うようになった場合には“真剣交際”に入り、お見合いした日から3カ月後には、“結婚するかどうか”の意思表示をすること。
よって、結婚相談所で結婚を決めて、“成婚退会”していくカップルは、結婚に向かってまっしぐらに進んでいく。両家のあいさつを済ませ、婚約指輪と結婚指輪を買い、結婚式場を予約し、入籍をする。この一連の流れをトントン拍子でやってのける。もちろんカップルによってスピードは違うのだが、半年以内に入籍しているカップルがほとんどだ。
もちろん人の気持ちなので、決められた期間の中で答えを出せないこともある。よって、必ず守らなくてはいけない取り決めではない。お互いが、「もう少しお付き合いをして相手を見たい」というのであれば、2人の意思を尊重して3カ月を越えて交際していてもよい。しかしそれがどちらか一方の要望だった場合は、3カ月でいったん交際を終了させる。
結婚を決断できない相手に引っ張られ、半年、1年と付き合い、揚げ句の果てに、「やっぱり結婚できない」となったら、待たされたほうはそれだけの時間を無駄にしてしまうからだ。
だから私は、裕紀(42歳、仮名)のことが心配だった。
去年の5月に39歳の女性との成婚を決め、退会していったのだが、彼からのプロポーズを受けた彼女が、こんな提案をしてきた。
「1年は婚約期間で付き合って、本当に2人がうまくやっていけるのかを確かめてから入籍をしたい」
彼女にそう言われた裕紀は、私に相談に来た。
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