検索時代が生んだ「婚活難民」の果てなき迷走

誰にでも出会えるから、誰とも結婚できない

また、こんな例もある。先日、知人を介して知り合った誠(男性・40歳)の話だ。

モテ塾のセミナーに行くと、いきなり2時間半罵倒

彼は女性経験がないままに、30歳を過ぎてしまった。そろそろ結婚もしたいが、身近に相手がいない。そもそも女性をどう口説いていいのかもわからない。そんなときに、やはり結婚できないことに悩んでいた友人から、あるモテ塾のセミナーに誘われた。

そして、2人でセミナーに出掛けた。会場で着席して待っていると、ダブルの背広を着こなした青年実業家タイプの講師男性が現れた。まさに“イケイケ”という言葉がぴったり。全身からエネルギッシュな雰囲気を醸し出していた。始まるや、まずは参加者たちを大声で罵倒しだしたという。

「女にモテないのは、今のお前らの気持ちが自分をモテない男にしているからだ。今のままだとどんな婚活をしても永遠に恋人もできないし、結婚もできない。女を口説くにはやり方がある。女の心理を学ぶべきだ。そしていい女を落としてこそ、意味がある。妥協した女を選んで結婚したところで不幸なだけだ」

「4時間半のセミナーのうち、前半2時間は、罵倒され、説教をされ、自分のダメっぷりを思い知らされました。後半は、自分がどうすれば現状から脱却できるのか。どうすれば自分が変われるのか。自分が変われば、恋愛も結婚も仕事も好転していく。いい女が面白いほど手に入るという話でした」

その他に講師男性は、こんなことも言ったという。

「現代の社会には、いろんな不純物が挟まってきていている。それらが夢をかなえることを邪魔している。その挟まっている余計なものを取り除いていくと、自然と夢をかなえることができる」

なんとも抽象的で私には理解できなかったが、彼は、「すごく腑に落ちた」という。

ただ私が思うに、これはマインドコントロールをするときの典型的なやり方ではないだろうか。暴言を浴びせかけて、“支配する側と支配される側”の上下関係を最初に築く。その後、無力感を味わわせてから、新しい価値観を刷り込み安心させる。安心したところで、また暴言を浴びせる。この一連の流れを繰り返していくと、人はマインドコントロールにかかってしまうといわれている。

彼はこのモテ塾への入塾を決め、月1回の講義を半年間受講した。しかし、半年後現状は何も変わらなかった。そこで今度は違うモテ塾をネット検索で探し出し、今度はそちらに入塾した。

「その塾はやはり月1で、モテる男になるためのプログラムを半年間受講するんですが、そのほかにオプションプログラムがあったんです」

次ページ「性教育の学校」に数十万円を投じる
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