検索時代が生んだ「婚活難民」の果てなき迷走

誰にでも出会えるから、誰とも結婚できない

「最初の1年は結婚相談所に入っていました。ただそこは、お見合い料が1万円かかるところだったので、会う相手をすごく選んでしまった。条件とか見た目とかを選別して会っていたんですが、結婚したいと思う人がいなかった。そんなとき、友達が婚活アプリで知り合った人と結婚したんですね」

友達の入っていたのは、月額3000円を支払えば、申し込みをするのも受けるのも制限がないサービスだった。

「友達は、『多い月は10人と会っていた』と言うんです。私が10人と会ったら、10万円かかる。なんだか結婚相談所にいるのがバカらしくなっちゃって。退会して、友達が結婚を決めたアプリに登録したんです」

登録するやいなや、驚くほど申し込みがきた。また、“会ってみたい”と思う男性には、どんどん申し込みをかけた。これまで金額がかさむのを気にしてお見合いする人を慎重に選んできたのだが、3000円で無制限に出会えるアプリにタガが外れた。月に10人以上の人たちと会った。ところがアプリで出会う人たちは、“結婚したい”という気持ちが薄い人が多いように感じたという。

「『いいな』と思う人は、結婚を真剣に考えているというよりも、ただ『彼女を作りたい』『恋愛を楽しみたい』という人たちでした。お付き合いに進展しても、『結婚』という言葉がまったく出てこなかったし、中には会ったその日にホテルに誘う人もいました。逆に気に入られてしまって、結婚の話を具体的にしてくる人は、話をしていてもピンとこない。手をつないでもドキドキしない。『この人との結婚は無理!』と感じる生理的に受け付けない人が多くって。アプリで出会った人が100人を超えた頃、『ここで婚活していても結婚できないんじゃないか』って不安になったんです」

そこで、アプリに登録したまま、今度は大手結婚情報センターの資料を取り寄せた。

「3カ月のトライアルコースがあって、値段も手頃だったのでそこに入会しました。でも、お見合いの申し込みをしても、私が会いたい人にはOKがもらえない。逆に、この人には会いたくないなという方からは申し込みをいただく。マッチングがうまく成立しないうちに3カ月が経ってしまって、そこは2回お見合いしただけで退会しました」

「料金が高いから、出会える人数が少ない」→「安価で出会える場所に移ってみたが、出会っても出会っても結婚相手に巡り合えない」→「婚活場所を変えたが、理想の人とはお見合いができない」……。まさに、婚活する場所を求めてさまよう「婚活難民」だ。

「自分でもわけがわからなくなってしまった」

「もう自分でも、どうやって出会っていったらいいのか、わけがわからなくなってしまいました」

そうして、私のところに面談にやってきたのだ。面談を終えると彼女が言った。
「2、3日考えてから(入会するか)お返事していいですか」

それ以来、彼女からの返事はなかった。別の婚活場所を見つけたのだろうか? それとも元の場所で婚活を続けているのだろうか……。

次ページモテ塾の講師から受けた2時間半の洗礼
ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 競馬好きエコノミストの市場深読み劇場
  • 日本野球の今そこにある危機
  • 若者のための経済学
  • 本当に強い大学
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
-

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

ログインしてコメントを書く(400文字以内)
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
スクープ! 積水ハウス地面師事件<br>「封印された報告書」の全貌

「なぜ積水はだまされたのか」。2年前の地面師グループによる大型詐欺事件。謎を解く同社の内部資料を本誌が独自に入手した。だまされた積水が調査報告書の公開を拒む理由は。取引を承認した役員が現在も要職にある“闇”をいま明かす。