賃貸物件で住民クレームが激増した根本原因

クレームの出ない物件づくりは可能なのか?

「不寛容社会」になっているとはよく言われますが、賃貸不動産業界もまたしかり。管理担当者たちは、日々入居者からのとんでもないクレームに対応しているのです(写真:KY / PIXTA)
「部屋の壁から、幽霊が出てくる!」「大家さんにセクハラされた!」「愛車のBMWからネコをどかせて!」――。
賃貸不動産業界への綿密な取材に基づく小説『お客さま、そのクレームにはお応えできません!』には、賃貸不動産会社の管理部に寄せられる、住人たちからの驚きのクレームの数々が登場する。
とんでもクレームが多く寄せられるようになった背景とは。クレームを生まない物件づくりは可能なのか。同書の著者である三浦展氏と、賃貸不動産管理会社の支店長などを経験し、賃貸住宅事情に詳しいハウスメイトパートナーズの谷尚子氏に聞いた。

入居者からのクレームに忙殺される管理担当者

司会:『お客さま、そのクレームにはお応えできません!』の中では、不動産店の店長である主人公が「(賃貸不動産会社の)管理部は、ほぼクレーマー対応が仕事ね」と語る一文があります。

実際に、入居者からのクレームはかなり多いのでしょうか。

この連載の一覧はこちら

:入居者さんはお客様なので、クレーマーというと語弊がありますが、賃貸物件の管理の仕事は、おそらく半分くらいが苦情やご相談の対応でしょうね。

もちろん、本当に問題が起きている場合もあるのですが、中には必ずしも深刻なトラブルではなくて、ちょっと対応に困るようなものも多いんです。

たとえば、春になると増えるのが、「排水口が詰まった」というクレーム。そこでスタッフが急ぎ現地に行ってみたら、髪の毛が詰まっているだけ、なんてことも(笑)。学生や新入社員の初めての1人暮らしだと、掃除をしなければ排水口が詰まるということを知らないんですね。

三浦:それまではお母さんがやってくれていたのかな。お母さん自身がもうあまり掃除をしない世代のような気もするし(笑)。

次ページかつては「貸す側」が偉かった
ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 離婚親の選択
  • 御社のオタクを紹介してください
  • 競馬好きエコノミストの市場深読み劇場
  • 若者のための経済学
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
-

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

ログインしてコメントを書く(400文字以内)
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
ひと烈風録 平井一夫<br>前会長の「ソニーとの決別」

ソニーを立て直した名経営者は、会長に退いてからたったの1年で会社を去った。今後はビジネスの世界から身を引き、日米の子どもたちの就学を支援するという。自らが望む人生を始めて歩み出す平井氏。そのユニークな半生を振り返る。

  • 新刊
  • ランキング