私たちの日常に欠かせない「紙」が値上げに――。大王製紙は5月1日、ティッシュ、トイレットペーパー、キッチンタオルなどの家庭紙全品について10%値上げをした。ガス・電気等のエネルギーコスト、輸入パルプや古紙等の原料単価の高騰を吸収できないのが理由という。
報道でも大きく取り上げられたので、目にした人も多いはずだ。エリエールファンの中には、買いだめに走った人もいるかもしれない。
一方、大王製紙の発表とは逆をいくように、セブン-イレブン・ジャパンは日用品の価格を見直し、こちらは紙製品を含む61品目を値下げする。値下げはナショナルブランド対象で、実勢価格に近づけるのが目的だという。たとえば「ふわっとやさしいティシュー」5個パックが298円から248円へと50円の値下げだ。
このように価格変動の波にさらされている「紙製品」だが、毎日少なからずお世話になるだけに、漫然と買うのと、意思を持って買うのとでは、何十年単位では総コストはかなり違ってくるだろう。今回はこの紙をめぐるニュースを入り口に、「紙類」の買い方についてじっくり考えてみたい。
激戦区のドラッグストアの仁義なき戦い
ティッシュやトイレットペーパーを安く買おうと考えた場合、手近なのはドラッグストアだろう。箱ティッシュやトイレットペーパーは流通にとっての客寄せ、目玉商品でもある。はっと目を引く特価をつけて、そのまま店内に誘導する役割を担う。
店としては「ついで買い」をしてくれればいいわけで、赤字覚悟の価格をつけることもあると聞く。さらに言えば、同じエリアに複数軒のドラッグストアがひしめいている地域では露骨に値下げ合戦が繰り広げられる。しかも、同じチェーンであっても、互いにライバル店だ。同じ銘柄のティッシュ5箱セットなのに同チェーンのA店よりB店のほうが安いということはざらにある。
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