「自分へのご褒美」は「究極のNGワード」だ おカネが貯まらない「悪魔の言葉」を使うな

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「自分へのご褒美」は、自分の心を納得させるのによく使う。だが、実はとても危険な言葉だ。なぜなのか(写真:miya227 / PIXTA)

一般雑誌のマネー記事などを見ていると「おカネが貯まる魔法の言葉」だとか「引き寄せの法則」みたいなフレーズが出てくることがあります。おカネとスピリチュアルを合わせたような内容で、占い好きの人には結構人気の定番記事のようです。

なぜ「頑張った自分へのご褒美」は「危険な言葉」なのか

財布の色がどうしたこうしたとか、お札はそろえて入れるべきだとか、私に言わせればこうしたもののほとんどは荒唐無稽なオカルトとしか思えないのですが、相変わらずこの手の類の記事は人気があります。

私は「おカネが貯まる魔法の言葉」などは存在しないと思っていますが、「おカネが貯まらない悪魔の言葉」は確実に存在すると思っています。そうした悪魔の言葉の1つが、「頑張った自分へのご褒美」です。これは日常生活の中でしばしば使われることがあります。

具体的に言えば、何かを衝動買いで買ってしまったとか、あるいはダイエット中にもかかわらずおいしいスイーツをいっぱい食べてしまったというケースです。そんな時に「これは最近、仕事を頑張っているからそれに対するご褒美だ」と自分で自分を納得させます。あるいは、周りの人に言い訳するのです。フェイスブックやツイッターを見ていると、こういうコメントや書き込みは頻繁に出てきます。言わばごく日常的に使われている言葉なのですが、どうしてこれが「悪魔の言葉」になるのでしょうか。

人間というのは、何か行動を起こすときに因果関係と理由づけを求めるものです。「~だからこうなった」という因果関係がないと、どこか気持ち悪いと感じるのです。さらに自分の行動や判断が絡んでくると「理由づけ」を求めたがります。「こうなったのは、これこれこういうことがあったからだ」と納得したがる性質を持っているのです。

本来、モノを買ったり、おいしいものを食べたりするのは人間の自然な欲求です。場合によっては衝動買いをしたり、ダイエット中にもかかわらず突然たまらなく甘いものが食べたくなってケーキを2個も食べてしまったりする。こういうことは人間誰しもあることです。

そもそも人間は心理的に遠い将来の価値を低く見積もりがちです。1年先のスリムな姿を想像して楽しむよりも、目の前にあるショートケーキに対する魅力のほうがはるかに大きいからです。ですからたまには衝動買いや衝動食いをするのは、しょうがないのです。

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