子供の才能がわからない親にできること

誰もがイチローの父親になれるわけではない

さて、このK君はあらゆるときに字を読んでないと気が済まない極めて向学心旺盛な人間に育たれたわけだが、私も結局はそうなってしまった。交通時間などで意味なく時間を過ごすのが嫌いで、たいてい本を読んだり、アイパッドやギャラクシーの端末から随時情報を吸収ないし分析していたりしないと気が済まない人間になった。その意味では、たどり着く経路は大いに違ったが、獲得した賢い習慣は共通している。

脈絡なく書きつづったが、全国の親御さんへのメッセージはこうである。

「本代はけちるな。あと本棚に本がいっぱいあるのはいいが、親御さんの限られた趣味の本ばっかり置くな。そして何よりも、子供のときに本をいっぱい読んでやるべきだ」である。

私もいい年のオッサンになってしまったが、4歳のときから布団の中で母親が読み聞かせてくれた童話や、さまざまなつくり話は、今でも人生最大級の幸福な時間である。将来本を読むという習慣をつくるその起点として、幼少期から本を読み聞かせることで楽しい時間を親子で共有するというのは、母親の最大級に重要な役割のひとつであろう。

<ミセスパンプキンのコメント>

私の少女期の読書体験

60年前の一般家庭には、今のように本がふんだんにはありませんでした。

私が初めて物語にふれたのは(教科書以外では)小学生時代の雑誌『マーガレット』や『ひまわり』でした。当時の少女雑誌の物語のテーマは、悲しい母子物語であったり、日本舞踊の名取りやバレーのプリマを争う物語などで、主人公に感情移入しドキドキして次号を待ちました。中原淳一氏や田中美智子さんのお目々パッチリの少女の絵に、本当に夢をいっぱいもらいました。このときのドキドキ感と夢いっぱい体験が忘れられず、読書を続けてきたようなものです。

少し大きくなって図書館で初めて読んだのが『リンカーン』。どの部屋でどんな姿で読み、どのように感動したかまではっきり覚えています。感動で胸がいっぱいになりました。『アンクル・トムの小屋』『安寿と厨子王』『イソップ物語』など、図書館にある本を全部読みました。アメリカをのぞき、イソップの世界に触れました。全部といっても当時の図書館のこと、冊数もたいしたものではありませんでしたが。

今のように誘惑物があふれていない時代で、いろんな世界に連れて行ってくれる読書は、最大の師であり友でした。当時は今の学生より平均的に本に親しんだ世代です。

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