「イヤホンランナー」が認識すべき危険と迷惑 聞きながら走る人が4割という大変な事態

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ということは、追い抜く側のランナーからすると、イヤホンランナーは非常に迷惑な存在なのだ。誰にも抜かれない自信がある方以外は、多くのランナーが集まるコースでイヤホンを使用すべきではないと筆者は思う。

2015年6月1日から改正道路交通法が施行され、自転車の交通ルールが変更された。警視庁は、イヤホンをすると注意力が落ちるため、「事故防止として外すように指導している」という。日ごろ自転車の接近を危ないと思うことがあると思うが、鼻歌まじりのノロノロ運転より、速く走るランナーもいる。そう考えると、イヤホンランナーも危険な存在であることを自覚すべきだ。

盲人ランナーの立場で見てみると…

冒頭で紹介したように、トレーニング時よりもレース時のほうが、イヤホンをしているランナーが多くなるというのも、非常に残念だ。大会ではコース幅が広いものの、それでもイヤホンランナーは後続ランナーの前を阻むことがたくさんある。他のランナーの邪魔になっていることを知ってほしい。

筆者がここまで強く主張するには理由がある。それは盲人ランナーにとってイヤホンランナーは “障害物”になるからだ。筆者は盲人ランナーの伴走を何度も経験して、健常者にとっては何ともないわずかな段差が彼らにとって脅威となることを知った。当然、前のランナーを追い抜くときも、ひとりで走っているとき以上に神経を使う。

盲人ランナーと伴走者は横並びで走り、伴走者はコースをナビすることで「目」の役割を果たすことになる。前のランナーを追い抜くときは、ひとり分ではなく、ふたり分のスペースが必要になるため、大きく迂回しなくてはいけない。背後からの気配を察して、横によけてくれるランナーが大半だが、イヤホンランナーだとまず気づいてもらえない。声をかけることもあるが、かなり接近をしないとイヤホンをしているかどうかわからないケースもあり、うまく対応するのが難しい。

そうなると急激にペースを落として、どこかスペースを探してから、迂回するかたちで追い抜くことになる。伴走者はその状況を口頭で指示しながら走るため、かなりの労力が必要だ。盲人ランナーは突如ペースを落とすだけでなく、余分な脚を使うことになる。

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