広島民の不満「チケット争奪戦が激しすぎ!」 カープ人気の高まりが招いた想定外の事態

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カープが一括発売方式を採用しはじめたのは、旧広島市民球場時代の1997年のことだ。球団は「土日のチケットを早く確保したいという顧客の要望に応える形で始めた」と経緯を振り返る。

前年の1996年シーズン、カープは前半を首位で折り返しながら後半に失速し3位だったが、それでも3年連続でAクラス。この年の観客動員数は129万4000人と、1試合平均で2万人を割る水準だったから、平均3万人を超えていた昨シーズンと比べて3分の2以下である。売れるものを早く現金化するのは経営として当然の判断だし、この方式に変えても、当時は年間を通じてチケットに余裕があった。

そのほかにも球団のメリットはあった。「一括販売によって、同じ土日でも時期によって異なる繁閑度合いを把握することができるようになり、効果的なイベントの投入に役立つという面もあった」(球団)という。繁忙期にはファンサービス目的のイベント、閑散期には販促目的のイベントをそれぞれ、時期に応じて投入できるようになった。

状況が変わり始めたのは2~3年前から。きっかけとなったのは、大リーグで活躍した黒田博樹投手のカープ復帰だろう。球団は一括発売をやめたらどうなるかを検討したという。しかし、結果的には「一括発売からの変更を見送った」という。

なぜか。一括販売をやめれば土日のチケットを早めに押さえたいファンから当然文句が出る。何より人気は水物だ。

タイガースのチケット争奪戦は沈静化

カープ同様に一括発売方式を採る阪神タイガースでも、かつては最近のカープと同じく、開幕前に尋常ならざるチケット争奪戦が展開され、高値転売が横行していた。

だが、今ではかつてのような過熱ぶりは、すっかり影を潜めた。ある関西のチケットショップ経営者は「タイガースの人気低下で、4年ほど前から開幕前のチケット争奪戦は沈静化した。普通に買えるようになり、割高な転売チケットを買うニーズは後退している」と指摘する。「以前は年間指定になかなか空きが出ず、同じ年間指定でもライト側の座席が欲しければ、まずはレフト側の座席を買って、何年間かライト側の空きを待つほどだった。しかし、今はダイレクトにライト側が買える。ウチに持ち込まれるチケットも、年間指定がほとんど」という。

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