広島の通勤電車に「カープ坊や」が現れたワケ 新車は「末期色」から地元が愛する“RedWing"

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新型電車"RedWing"の行先表示に現れた「カープ坊や」(撮影:佐藤伸矢)

普段何気なく利用している通勤電車の「普通」「快速」といった表示に、その日の朝“カープ坊や”が現れた。カープが25年ぶりに優勝した9月10日の翌朝、広島での出来事である。昨年から導入された新型車両“RedWing”全車両で約1週間表示される。

優勝したチームの地元での、バーゲンセールやグッズの販売、数々の記念イベントの開催は、販売促進や売り上げアップのためによくあることだ。しかし、目先の売り上げとは関係のない、日常利用している通勤電車まで優勝チームをお祝いするというのは、広島ならではの凄いことではないだろうか。

それはカープがどれだけ地域に親しまれているかの証しであり、また鉄道も地域に親しまれるものにならなければならない、というメッセージなのである。“地域に親しまれる”とはどういうことかを、野球、鉄道、デザインをキーワードに考えてみたい。

通勤電車もお祝いするカープ優勝

今回優勝の記念ロゴには、カープ坊やが涙を流して喜んでいる姿が描かれている。カープの歴史は涙なしでは語れない。カープは戦後間もない1950年に広島復興への夢と期待を背負って創設された。その時点でプロ野球はすでに15年の歴史があったが、1リーグから2リーグへと分裂する激動の時でもあった。

球団数が一気に倍に膨れ上がり、選手の取り合いも激しく、資金力のないカープは初っぱなから苦しんだ。市民の“樽募金”や監督選手による試合後の後援会への挨拶回りなど涙ぐましい努力により、球団存続が危ぶまれた時をしのいだ。

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