「夫婦は一生添うべし」が当然ではない理由 江戸時代の日本は「離婚」「再婚」大国だった!

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この人口千対離婚率1.8という数値は、世界の中ではどのあたりに位置するのでしょうか。総務省統計局の「世界の統計2016」によれば、72カ国中41位(離婚率判明国のみ対象)と、ほぼ中間に位置しています。1位はロシアの4.5(2012年)で、アメリカは2.8(2011年)で11位、韓国が2.3(2013年)で17位となっています。

「夫婦は一生添い遂げるべし」は“日本人らしく”はない?

「夫婦とは一生添い遂げるものだ」。そう考える人からすると、日本人の離婚率の上昇は、「日本人らしさを喪失している」ことのあらわれだと嘆かれる方もいるかもしれません。

でも、そもそも日本が離婚大国だったという事実をご存じでしょうか? 総務省統計局の「帝国統計年鑑」を紐解くと、1893年(明治26年)の人口千対離婚率は3.38でした。現在の離婚率のほぼ倍、現在のアメリカの離婚率をはるかに凌駕していました。江戸時代に遡るとさらに離婚率は高かったようです。2006年参議院調査局第三特別調査室「歴史的に見た日本の人口と家族」によれば、江戸期の人口千対離婚率は4.8もあったそうです。現在の世界1のロシアより上です。江戸時代の日本の離婚率は、いわば現在の世界トップレベルだったわけです。

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