鈴木大地氏「東京五輪、金メダル30個目指す」 スポーツ庁長官が見据える2020年とその先

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「金メダルへの期待感が、選手のモチベーションにもつながる」と話す鈴木大地・スポーツ庁長官(撮影:尾形文繁)

――リオ五輪で、日本の金メダル獲得数は12個で、6位でした。日本オリンピック委員会(JOC)は、東京五輪で20~33個の金メダルを獲得して、金メダル数で世界3位(リオ五輪の金メダル数は、1位米国46個、2位英国27個、3位中国26個)に入る目標を掲げています。この目標は決して無理なものではないのでしょうか。

東京五輪まで、あと3年半くらいあります。今のうちから「金メダルは10個が目標です」なんて言っていたら、そりゃ夢がない。

メダルを取れそうな可能性があるアスリートからすると、自分がメダル候補にカウントされている可能性を感じられると、とても勇気づけられます。「ああ、金メダル30個のうちに、俺も入ってるのかもしれない」と思うことは非常に重要です。

直前になったら情報収集も進み、現実的な分析も出てくる中でもう少し絞り込まれていくでしょう。ただ、今はまだ、可能性を含めた議論をすべきタイミング。金メダル30個、私は大いに結構だと思います。

障害者スポーツを観戦し、プレーしてみよう

――大会を追うごとに、パラリンピックや障害者スポーツへの注目が増しています。ただ、選手層の薄さや競技団体の規模の小ささ、スポーツ施設のバリアフリー化の徹底など、取り組むべき課題も多いのでは。

まず、特別支援学級で競技スポーツを志したいという人にもっと手を挙げてもらい、選手として吸い上げていくことが必要です。また、一般の学校に通っている生徒の場合、体育の授業で健常者と障害者が一緒になると、障害者は見学になってしまうことも多い。施設のバリアフリー化も含めて、スポーツの機会を広げるための対策を進めていきます。

障害者スポーツの競技団体が脆弱だといわれる背景には、障害の程度や種類によるクラス分けが細かく、それに従って競技団体が細分化されている状況があります。全体の競技者数が多いわけではないので、なるべく競技団体がまとまっていく、あるいは密接に助け合っていくことが必要だと考えています。

パラリンピックや障害者スポーツって、1度見たり、経験したりすると、すごさがわかるし、ファンになる人も多いんです。2020年の東京パラリンピック前に「プレ大会」もやるので、障害者スポーツを見て、聞いて、支えていくよい機会になるのでは。2020年は、会場が満員になって、みんなで応援をする大会になってほしいですね。

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