なぜサムスンは、中国でアップルに勝てたか

激化する中国スマホ競争

小売業界での存在感

サムスンは1985年に中国の首都北京にオフィスを設置。一方、アップルが中国事業を強化し始めたのは、スマホの存在が拡大し始めた約5年前だ。

同社は中国の大手キャリア3社を通じた製品販売のほか、家電小売大手の国美電器<0493.HK>や蘇寧電器<002024.SZ>との提携や、直営店「エクスペリエンス」などにより小売業界での存在感を増している。

アップルも同様の販路を活用してはいるが、中国進出が比較的遅れたことから存在感は大きくない。また同社は、携帯電話大手の中国移動(チャイナ・モバイル)<0941.HK>と数年にわたり端末販売で交渉を続けているが、売り上げ配分などの点で合意に至ることができていない。

中国最高指導部とのつながりも

サムスンの幹部らは中国の国営通信企業のCEOだけでなく、政権トップとのつながりも深めている。今年4月には、李健熙会長の息子である李在鎔副会長が習近平国家主席と会談。李副会長は後に「最も驚いたことは、中国指導部がサムスンについて熟知しているということだ。専門の研究部門も存在する」と語った。

一方、中国の国営メディアは4月、アップルについて1年間の製品保証期間は不十分などとし、他に例を見ない「傲慢(ごうまん)さ」があると批判。同社は当初は批判をはねつけたものの、クックCEOは後に中国の消費者に謝罪した。

低価格と高価格の両方で攻勢

IDCによると、サムスンは中国スマホの低価格市場と高価格市場の両方で優勢を維持しているが、両端の市場で攻勢を強める理由は簡単だ。平均賃金が1カ月当たり640ドルとされる中国では、スマホに買い替えようとするユーザーの多くがアップル製品には手が届かない。

さまざまな価格の機種を多彩に用意することで、サムスンは消費者と深いつながりを築いている。調査結果によると、消費者の多くは年齢を増すごとに、より高価な機種に買い替える傾向にあるという。また、下位機種と上位機種を合わせて投入することは、レノボやファーウェイのほか、数百もの小規模企業の参入で激化する競争において、サムスンが優勢を保つことにもなる。

サムスンのグローバル戦略部門に6年勤務した経験のあるマーク・ニューマン氏は、「アップルが中国、そして世界に向けて新たな安価な製品を開発するかどうかに注目したい」と述べた。

(原文執筆:Melanie Lee記者 Miyoung Kim記者、翻訳:本田ももこ、編集:橋本俊樹)

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