4強「侍ジャパン」、米国での難関は練習試合だ 無傷の6連勝で米国ラウンドへ向かうが…

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激闘6試合の疲れが残る中、時差調整も必要。調整のためなら1試合で十分だ。2次ラウンド2位通過なら準決勝が20日(同21日)と1日早くなるため1試合ですんだのだが、1位通過した日本には2試合が義務づけられている。

練習試合とはいえMLBのエキシビションゲーム(オープン戦)に組み入れられた有料試合。パスはできないのだ。

2006年の第1回大会と2009年の第2回大会では、東京での1次ラウンドを終えて渡米。アリゾナで練習試合を2試合消化したが、米国での2次ラウンドで本格的な戦いが始まる前に、調整という意味で有益だった。

だが、大会を主催するWBCI(ワールド・ベースボール・クラシック・インク)が読売新聞社に、それまで1次ラウンドだけだった興行権を2次ラウンドまで譲渡した2013年の第3回大会から事情が変わった。日本で6試合を戦ってからの渡米となったのだ。当時、投手総合コーチだった東尾修氏は「(米国での練習試合)2試合はやり繰りが大変だった。準決勝に投げる予定のないピッチャーに無理をさせて……」と振り返る。

大リーガー相手の練習試合は、調整に逆効果?

今回は渡米3日目と本番2日前の2試合。大リーガー相手に18イニングをこなさなければならない投手陣だけでなく、疲れが残る野手陣にも負担になる。決勝ラウンドが行われる西海岸は乾燥したアリゾナとは違って湿気があり、ボールの感触が変わってくる。アリゾナでの練習試合は逆効果という指摘もある。

ちなみに1次ラウンドを終えて渡米した最初の2大会は優勝。2次ラウンドまで日本でやって渡米した前回はサンフランシスコのAT&Tパークで行われた準決勝でプエルトリコに1-3で敗退した。

「次がいちばん難しい。準決勝をなんとか乗り切って世界一になりたい」

2次ラウンドを終え、表情を引き締めた小久保監督。現役時代、手術した左手首のリハビリで長期滞在するなどアリゾナの気候は熟知している。2試合の練習試合を、どうこなして決戦の地、ロサンゼルスのドジャースタジアムに乗り込むか。3年半の監督生活。もうすぐ集大成の時を迎える。

(文中敬称略)

永瀬 郷太郎 スポーツニッポン新聞社特別編集委員

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ながせ ごうたろう

1955年、岡山市生まれ。早稲田大学卒。1980年、スポーツニッポン新聞東京本社入社。1982年からプロ野球担当になり、巨人、西武の番記者を歴任。2001年から編集委員。2005年に「ドキュメント パ・リーグ発」、2006年は「ボールパークを行く」などの連載記事を手掛ける。共著に『たかが江川されど江川』(新潮社)がある。野球殿堂競技者表彰委員会代表幹事。
 

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