ベンツ「Eクラス」最上級車はSクラス並みだ 権威主義者も悩ませる超フワフワの乗り心地

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3.5リッターV6ツインターボ・エンジンは9段オートマチックとの組み合わせにより、ふだんは100km/h巡航1500rpmという低回転で粛々と回り、快適極まるドライビング空間をつくりあげている。

メルセデスでは「ダイナミックセレクトスイッチ」と呼ばれるドライブ・モードがあり、前述した切り替えスイッチをコンフォートからスポーツ、さらにその上のスポーツ+に切り替えると、乗り心地が硬くなるだけでなく、V6ツインターボがAMGモデルのように野獣のごとく吼え始める。

バフォンッ! という爆裂音とともに目覚め、アクセルオフでバラバラバラッというアフターファイアみたいなサウンドをリアから発しさえもする。ステアリングは重くなり、俄然スポーツカーライクな味付けに変貌する。もし、あなたがヤング・アト・ハートな熱い「走り屋」だったら、硬いマシュマロにも意味がある。

4MATICのトルク配分は前31、後ろ69という後輪駆動寄りで、ドライ路面でなら4WDであることを意識させない。ステアリング・フィールは後輪駆動同様で、ドライブトレイン全体もきわめて洗練されている。

テスト車の車重は4WDということもあって1920kgもある。新型Eクラスはボンネットやフェンダー等にアルミが用いられて軽量化が図られている。それなのに2トン近い。いかにも重い。メルセデスの哲学に従い重量配分は55対45とややフロント・ヘビーなのはいいとして、しかし実際に走ってみると重さを微塵も感じさせない。軽やかに、フワリと疾走して見せる。

大観山に到着して、凛とした寒気のなか、白い雪をかぶった富士山を彼方に望む。気分爽快! 贅沢なソファーのごとき肉厚のクルマかと思えばさにあらず。1台でスポーツカー的な走りまで披露する。その万能ぶりこそE400の真骨頂である。480Nmもの大トルクを1200rpmから4000rpmまでの広範囲で生み出す3.5リッターV6ツインターボと、9段オートマチックのコンビがいい仕事をしている。

ヤザワもビックリ! メルセデスの自動運転

さて、大テーマの自動運転である。帰りの小田原厚木道路で、筆者はE400 4MATICに与えられた自動運転システムを試してみた。前走車と適度な距離をとってロックオンし、ディスタンスパイロット・ディストロニック&ステアリングパイロットなるデバイスをオンにする。

そのスイッチはステアリングの左のウィンカーの下の短めのレバーで、オーナーにならないとウィンカーと間違えたりするけれど、それはさておき、前走車との車間距離を維持しながら走るということはすでに先代Sクラスあたりで実現していた。

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