BMW「新型5シリーズ」が示す歴史的転換点 「物理的な原理しか信じなかった」車の変質

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エンジンは、ガソリンとディーゼルに2リッター直列4気筒と3リッター直列6気筒をそれぞれ設定。日本では、ガソリンは2リッター直列4気筒ターボの「523i」「530i」、そこに電気モーターが組み合わされる「530e」、3リッター直列6気筒ターボの「540i」などをラインナップ。ディーゼルは、2リッター直列4気筒ターボの「523d」となる。価格は「523i」の599万円から

新型BMW5シリーズをいちはやくテストした小川フミオは、それが「従来のクルマづくりの頂点にして終着点である」という。

「駆けぬける歓び」をスローガンとするBMW

当記事は「GQ JAPAN」(コンデナスト・ジャパン)の提供記事です

イット・カーがあるとしたら、僕にとってそれはBMW5シリーズだ。イット・カーは、イット・ガールやイット・バッグというのとおなじで、“これしかない”という旬なクルマのことである。僕は1972年に初代が出て以来、今日にいたるまで6つの世代の5シリーズをほぼ好いてきた。唯一の例外が2003年にデビューした5代目。米国人のデザイン・ディレクター、クリス・バングル指揮によるスタイリングは、BMWのセダンが本来持つスポーティ・エレガンスを欠いていた、と思うからだ。

さて、2016年12月にポルトガルはリスボンで対面した7世代目の新型5シリーズは、エレガンスとパワーをともに感じさせる内容で、僕にとってうれしい“再会”といえた。

試乗は欧州でもっとも長いといわれる全長17.2kmに及ぶ吊り橋、ヴァスコ・ダ・ガマ橋をわたるところからスタートした。今回は3リッター直列6気筒エンジンの「540i」と、同等の排気量を持つ3リッター直列6気筒(とはいえ、まったく違うエンジン)のディーゼルの「530d」をテストした。

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