「仕事と音楽」、2つの道を極めて見えたこと 可能性は無限と信じれば挑戦できる

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──いつもチャレンジングです。

根底にある考え方は、可能性は無限にあるということ。とかくそのときは小さいこととしか思えなくて、大きな視野で包括的に決断したり選択したりするのはなかなか難しい。でも可能性は無限と肝に銘じれば、それはどの場面にも生きてくる。一つひとつの積み重ねがあって、次につながっていく。そう考えてきた。

好きな音楽の道を捨てずにきたのは、自分の個性や強みを大事にすることになるからだ。これは一人ひとり違って当たり前で、その違った個性がぶつかり合ったり、一つになったりして、1×1あるいは1+1が3になったりする。多様性によって組織も力が生まれてくる。

──ジャズ好きは個性として強みにもなる?

好きだということで3歳から音楽をやってきた。自分の感情や個性を表現するにはこのスタイルがいちばんいい、と。それを伸ばすことで、個性的とかユニークという客観評価もしてもらえるようになった。

ジャズは“共通言語”

──日本的な感性としっくりいくのですか。

私のジャズスタイルはリズムを感じながら、スイングして乗っていくのが真髄。リズムを感じながら即興でクリエーションしていく。リズムを感じるのは人種に関係がない。生体の体内リズムが音楽のリズムと共振するのだ。

文化の違いにより、日本人と欧米人ではリズム感に相違があるとはいえるが、リズム感があるとかないとかいうのは間違い。日本人が演奏するジャズとアフリカの人や欧米の人のジャズは確かに違う。でも、ジャズのルーツは人間そのものの生命力、生体と結び付いているから、ジャズは“共通言語”だといっていい。

大学時代に生体リズムをテーマに卒論を書き、そのことをことさら強く感じた。音響の奥深さをサイエンスすることで、音楽という今まで知っていた世界における、未知の面白いことがたくさんわかってくる。

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──30年来のテーマに挑戦?

イノベーティブなこと、クリエーティブなことが、全然違う領域と接したことで生まれた事例はいっぱいある。オーディオでもIoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)を取り込み、とてつもないものが出てくるかもしれない。

──パナソニックの役職は、4月にホームエンターテインメント事業部長兼任、さらに6月末から執行役員アプライアンス社副社長兼ホームエンターテインメント・コミュニケーション事業担当が内定しています。それでも、ジャズCDの15枚目の新譜はありですか。

今はとても考えられない。

塚田 紀史 東洋経済 記者

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つかだ のりふみ / Norifumi Tsukada

電気機器、金属製品などの業界を担当

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