「リーダー」にのし上がる人は何が違うのか

日本マイクロソフト会長樋口氏の仕事術

変革を手掛ける人が1人でも増えてほしい(撮影:今井康一)
米ヒューレット・パッカード(HP)と米コンパックの日本法人の統合を実行し、危機のダイエーを活性化させ、米マイクロソフト日本法人の変革をリードした「血の通った経営論」とは。『僕が「プロ経営者」になれた理由』を書いた日本マイクロソフト会長の樋口泰行氏に聞いた。

正味10年、いかに自分の頭で考えてこなかったか

──「プロ経営者」なのですね。

自身ではプロとは思っていないが、結果的に内資、外資4社の社長を経験し、そんなふうに見えるかもしれない。ネーミングこそプロとされているが、自分としてはその時々に、その場所で十分できたなと思った頃、フラストレーションがたまってくる。こんなことをもっと勉強したい、あんなことがやりたいと。そして次の形が社内で実現できなかったから、会社を替えた。そんな感じが実情だった。

──内・外資を渡り歩ける経営者はあまりいません。

べたな日本企業と外資系との両方で働いた経験があるのは事実で、しかも期間的にはほぼ同じ分量だ。その間に米国で経営大学院に行ってMBA(経営学修士)を得たり、戦略系のコンサルティングファームに在籍したりもしている。

職に就いて12年経って日本企業を辞め、コンサルティングファームに入った。そこでは自分の頭で考えよとさんざん言われ、いかにそうしてこなかったかを思い知らされた。コンサルに行く前までの12年のうち2年は留学だったから、正味10年、考えることを停止していたようだ。その状態から、自分の頭で思考するのはものすごいストレスだった。筋肉が全部落ちていた状態から、4〜5年にわたり本格的な筋肉トレーニングをするような苦痛だった。

思考なしを15年や20年続けていたら、もう元には戻らなかっただろう。上司の指示に盲目的に従い、そのうち指示待ちになり、進言しても採用されないとあきらめる。特に単一事業の大組織の場合はまさに「歯車」。しかも同一カルチャー、終身雇用の中で一生勤めていると、その中の生態系しかわからない。

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