どこの組織にもいるでしょう、なんだか大した実績がないくせに存在感だけあるやつ。
まさに彼はそういうタイプに見えてきます。これだけ実績がないのに、話題になり続けているのは、ある意味、希有な「才能」とさえいえるのかもしれません。
そう、アプレンティスの司会者であり、プロレス団体WWEの対決で、世論を盛り上げる、まさに「劇場型手法」のみが通用している唯一の事例、といっていいでしょう。
「場を盛り上げる才能がある」ことだけはわかった
それは、先日の議会演説でも見ることができました。
イエメンの特殊作戦で、シールズ(海軍特殊部隊)の夫を亡くした、キャリエン・コーエン氏に向かい、「あなたの夫は国家の英雄であり、その業績は永遠だ」と突如盛り上げ、聴衆の喝采を一斉に彼女に向け……まさにスタンディングオベーションの嵐……そしてキャリエンのほおからは涙が……この手法こそWWEで培った技にほかなりません。誤解のないように申し添えますが、私は彼女の夫であるウィリアム・コーエン氏の実績が大したことないとかは一言も言っていません。ただ、あのシーンを生み出せる、トランプ大統領の「劇場」を作り出す才能について、すごいものがある、と言っているのです。
仄聞するところでは、キャリエンもウィリアムの父親もこの作戦にはさまざまな疑問を持っており、そもそもトランプの招待を断っていたようです。しかし、これを口説いたのが、どうやらイヴァンカらしいのです。この演出の裏にはやはりイヴァンカがいた、という話になるわけで、これを「トランプ家族ぐるみ劇場」と言わずして何というのでしょうか!?
こうなってくると、人気TV番組アプレンティスで見せたような「大衆誘導型の司会をして、場を盛り上げる才能があることは、もうよくわかりましたよ。あとはちゃんと実績を上げてくださいね」というのが、多くのアメリカ人の偽らざる心境なのではないでしょうか。
かんべえ先生もご指摘のように、こうなると外交面での実績はトランプの支持者層にはまったく評価されないでしょうから、外交面で一発逆転を狙う、というわけにはいかず、地道に国内で実績を積み上げるという、どうもあまり彼に向いていない作業が続くのではないでしょうかね。
個人的には今後の展開に期待しつつも、このまま終わってしまうのではないか、という危惧をもっているのも確かです。つまらない「アメリカの危機」を引き起こさないことだけを、切に願います。
おあとがよろしいようで……。競馬は、今週は、なくてもいいですよね!? (というわけで、今週の競馬はお休みです)
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