「虫歯の放置」が引き起こす意外な重病の恐怖 顎骨炎は重症化すると最悪は命にかかわる

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・顎骨炎の診断方法

1.血液検査:血液成分の数値で炎症の度合いを診断する。他の病気との鑑別診断の目的でも行う。

2.細菌検査:ウミが出ていれば簡単に施行できる検査であるが、顎骨内の細菌検査となると骨を削る必要があり、抜歯の際に病理組織学的検査と併せて行うことが多い。

3.画像検査 単純X線写真:一般的にパノラマX線写真という歯科用のレントゲン写真を用います。最も簡便で一般的に行われる検査方法。原因の部位や病気の大きさを知るためや、他の病気との鑑別診断に用いる。

そのほかの画像検査として

骨シンチグラム:骨の炎症を調べます。

CT:3次元的に骨の変化や病変の部位を調べます。

MR:病変の範囲を診断するには有効。

4.病理組織学的検査:最終的確定診断を行う場合に用います。

顎骨炎の治療法

顎骨炎であることがわかったら、できるだけ早めに抗菌薬を使って原因菌を攻撃することが大切です。顎骨炎を起こす原因菌は通常、抗菌薬がよく効くものがほとんどですので早めに対処すれば重症化することを防ぐことができます。

もしもウミ溜まり(膿瘍)ができている場合には歯茎を切開し、ウミを速やかに排出させることで症状をできるだけ早く改善することができます。そして、急性的な強い症状が落ち着いてきたら、原因歯の治療(根の治療もしくは抜歯)を行います。

重症化してしまっている場合には、歯科では対応できずに、大学病院などに入院して抗生剤の点滴などを受ける処置が必要になることもあります。虫歯を放置しておけばおくほど治りにくくなり、治療に期間もかかってしまうものですが、周囲に感染が広がることで命にまでかかわることもあるのです。虫歯のある人は放置せずなるべく早めに治療することを心掛けましょう。

小林 保行 歯科医師/キーデンタルクリニック院長

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こばやし やすゆき / Yasuyuki Kobayashi

2004年東京歯科大学歯学部卒業、表参道の総合歯科医院に勤務。2006年市谷の歯科医院にて副院長として勤務。2008年に赤坂見附駅から徒歩1分の場所にキーデンタルクリニックを開院しました。開院以来、「確かな技術で納得の治療を」モットーに、あごや歯の場所を細かく分析をし、歯だけでなく口回りを総合的に診断。現在はムシバラボというサイトを立ち上げ、歯や口周りの情報を発信。主な資格はDHA岩田セミナー認定医、総合治療セミナー「一の会」認定医、クリアアライナー矯正認定医、日本顎咬合学会所属、日本インプラント学会所属、消防庁認定、救命技能講師修了。

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