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成績下位クラスの子が「下剋上する」方法 「錯覚を引き起こす」とうまくいく

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  • 石田 勝紀 教育デザインラボ代表理事、教育専門家
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それは、「錯覚を現実にさせる」という方法です。「本当なの?」と思われそうな方法かもしれず、これまで一般には公開してきませんでした。しかし、広く公開し、たくさんのママさんや教育に携わっている方に使って頂いたほうが、1人でも多くの勉強嫌いがなくなるのではないかと思い、お話をすることにしました。

筆者は20歳のときに会社をつくり、右も左もよくわからない状況で学習塾を始めました。この塾には、成績が良い生徒はあまりおらず、勉強が嫌い、成績も低迷している子がたくさんいました。もちろん、勉強をできるようにしたいのだから、勉強ができない子が塾に行くのでそれは当たり前なのですが、それにしても……という状況だったのです。

そのような子たちを見ていて、「今後このままいくと間違いなく勉強で苦労し、自己肯定感は下がるだろうな」と感じたことを思い出します。しかし、当時私はこのような子どもたちのためにこそ、塾の先生という存在があると信じ込んでいたため、「絶対に引き上げてやる」と決意しながら指導していたのです。

「錯覚」がやがて「現実」に

膨大な数の生徒をこれまで直接指導して見てきましたが、少々勉強ができないぐらいの子であれば、簡単に引き上げることができます。しかし、学力がどん底にあったり、自己肯定感が最低レベルという子の場合、そう簡単に引き上げることはできません。

そこで、さまざまな創意工夫をしながら、実行してきた方法が「錯覚を引き起こす」ことだったのです。つまり、「自分はひょっとしてできるのではないか?」と錯覚を起こさせるということです。

もちろん、はじめのうちは、学力はまだついておらず、あくまでも錯覚状態なのですが、この「錯覚」がやがて「現実」に変わっていくのです。

では、その方法についてお話しましょう。次の例をご覧ください。

【中学2年生の男子で、数学の成績が5段階中、2という子のケース】
:「じゃ、まず数学のこの問題やってみようか(中1の計算基礎レベル)」
 生徒はやってみるものの、中1レベルでも解けない。そこで
:「OK、じゃ、この計算をやってみよう」と言って、小6、小5の基礎的計算問題をやらせてみる。(場合によっては掛け算九九まで戻る場合もある)
 すると、小5、小6の計算問題はあやしいが、簡単な小数、分数ならできることがわかる。そこで私は次のように言います。
:「おお、これができるなら、大丈夫だ。伸ばせるぞ!」

 

しかし、これだけでは、ただやる気にさせようと思って先生は口先で言っているな、と思われるのがオチです。そこでさらに、簡単な問題をやらせて、できるたびに、意図的であることを悟られないように「褒めまくり」ます。

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【承認する頻度を高くしていかないと】

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