焼き肉通しか知らない本当に美味しい焼き方 部位や厚さの多様化に完全対応する極意

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こんな焼き方があるのか? 極意は豪快な肉全部のせの蒸し焼きです。皿に盛られた中カルビのタレ肉を1枚ずつ丁寧にのせると思いきや、高温の網に一気に全部のせました。のせてからは山のように積みつつ、網の上で焦げないように肉をこまめに裏返し、その姿、まるで蒸し焼きのようです。焼き上がりを見極め、仕上げにタレを網の上の肉に直投入します。

当然、網は火事のように煙モクモク状態でしたが、「肉は蒸すように焼くとおいしいんだよ」と食べたところ、確かにふっくらジューシーな焼き上がりでした。網を変えて今度は塩味のホルモンミックスです。同様に、お皿に盛られたホルモンを全部、網に投入して、山積み。こまめに手を加えて焼き、仕上げはレモンを網の上の肉に向かって、直搾りです。中カルビより、時間をかけていましたが、塩味に酸味の効いたふっくらした焼きに仕上がりました。既成概念にとらわれない、衝撃の焼き方の極意です。

大判肉の新食感には、[RRS]

対象:サシの入った大判のロース メリット:俵状に肉を巻くことで、大判肉でも肉汁を逃さず、外側と内側の食感の違いを楽しめる

薄切りの大判肉を一口で食べることは非常に難しいです。そして一口で食べることが難しいということは、肉汁の喪失を意味します。その薄切り大判肉をこぼさずに食べるために生まれたのが、ローリング・ロースト・スペシャル(Rolling Roast Special)です。

極意は、薄切りで大判の肉を俵にように巻いて、ミルフィーユ状に仕立てて焼き上げる技です。ロールするためには大判で薄いことが前提になりますが、まず、肉を焼き網に広げます。トングか箸を使って肉の端からもう一方の端に向けて肉を俵状にロールしていきます。このときの注意として、ほどけないようにきつめに巻き付けます。

俵状になったところで、網状で優しく転がしながら、全体にむらなく焼き上げます。焼き上がり後は、中心部はレアのまま、ロールの外側は多少、焦げた状態にして肉汁を損なうことなく、まったく違う食感を同時に味わうことができます。さらに上級として、大判の肉を広げたときに、中心部にワサビを投入し、RSSの技を駆使して一気に味わうという技もあります。ワサビに脂が程よく溶け出しますので、しょうゆをつけて召し上がるのに最適です。

<RRS出所  YAKINIQUEST>

焼き肉は引き算のグルメだと思います。他のグルメ料理と違い、多くのケースで調理過程や仕上げをプロである料理人でなく、自らに課せられるケースが多く、ミスがつきものです。部位ごとの100点の焼き方に対し、焦がさない、肉汁を逃さないなど、肉の焼き状況変化に素早く対応し、いかに失点(ミス)を少なくして焼き上げるかがポイントになります。今回ご紹介した極意を知ることで、通常に表裏を焼くだけでなく、部位に応じたいろいろな焼き方で、失点を少なくし、おいしく楽しく焼き上げて食したいものです。

小関 尚紀 リーマン作家/MBA

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こせき なおき / Naoki Koseki

1970年、大阪府生まれ。サラリーマン作家。筑波大学大学院ビジネス科学研究科博士課程後期中退。早稲田大学大学院ビジネススクール修了(アジア太平洋研究科修士課程国際経営学専攻/東出浩教ゼミ)経営学修士。修士論文は『キャラクター選好プロセスモデルの探索的研究』 現在、都内企業に勤務しながら作家としての活動を行う。
 

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