いろいろな人の資料を見ることは、その仕事を疑似体験することになります。自分が経験できる仕事は限られていますが、人のアウトプットを見ることで経験の幅を広げていくわけです。社内資料をデータベースに蓄積している企業にいる場合には、自分に直接関係ない仕事の資料も目を通しておくと仕事のスピードは格段に上がります。
・セミナー、研修
セミナーや研修は自腹で行くには高いものもありますが、テーマとの関連が深ければより価値の高い情報や、効率的にスキルを身に付けることができるものも沢山あります。急いで知識やスキルを身に付けたい場合には、多少高額でもプロから直接教えてもらうことを選びます。学び好きな性格かどうかもありますが、限られた時間で習熟レベルを一気に上げられますし、人的ネットワークも同時に得られることも魅力的です。
人から聞くという情報収集が必要
・人(同僚、知人、顧客)
インターネットや書籍、資料、研修は誰かがまとめて公開した「二次情報」と呼ばれるもので仕事をするための準備情報です。ここからは自分で直接得て価値をつけていく「一次情報」です。誰からどんなふうに情報を得るかはアウトプットの品質に大きくかかわってきます。
これまで得た二次情報から会って話を聞きたい人をリストアップし、具体的に何を聞き出したいのかを明確にして会います。自分の足で稼いだ情報は他の人が持っていない価値ある情報です。仕事の品質を上げるうえでも、一歩先に速くいくためにも人から聞くという情報収集を必ず入れましょう。
・経験・体験
あまり知られていないテーマの場合には、自分が実際に経験して一次情報を得ます。たとえば、一般企業でのIT活用法などは既存の調査結果などもたくさんありますが、建設現場や教育現場などでどう使われているのか……などもっと具体的に知りたい場合には、実際に足を運んだほうが価値のある情報や示唆が得られます。逆に知り尽くされているような場合でも、自分が実際にその商品を使ってみたり、顧客から直接話を聞いたり、店舗や工場など現地を訪れて得た一次情報のほうが、価値があることも多いのです。経験・体験をするには、自分のネットワークもものをいいます。他の人がなかなか手が届かない一次情報にアクセスできるということは、それだけ価値があるということです。
いろいろご紹介してきましたが、情報収集の速度と質を高めるには、まずは量を増やすしかありません。ビジネスに必要な読み方は1冊をじっくりと味わいながら読む「精読」ではありません。複数の知見を比較しながら読む「パラレル(平行)読み」です。たくさんの本を比較しながら読むと、優れた情報ととるに足りない情報、つまり、「良質見解と悪質見解」、そして、多くの人の意見が一致している情報とさまざまな異論がある情報、つまり「共通見解と相違見解」がわかるようになります。
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