フェイスブックが目論む「テレビ化」とは? 可能性を見出す広告主

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「理論的にはうまくいく可能性があるが、ユーザーを引き込むくらい豊かで魅力的なコンテンツでなければならない」と、メディアブランド・ソサエティのソーシャルメディア担当エグゼクティブディレクター、ジェームズ・ダグラス氏は語る。

フェイスブック上では現状、ユーザーはニュースフィードをすぐにスクロールする傾向があり、大半の動画は質が低い。したがって、フェイスブックは今後ユーザーに対し、フィード内のロングフォーム動画に時間をかける価値があると教え込む必要がある。

フェイスブックのショートフォーム動画でさえ、ユーザーに数秒以上視聴してもらうのが困難なこともある。グループMが実施した調査では、フェイスブック動画を10秒以上視聴した人の割合は10%に届かなかった。15秒以下の動画の場合、10秒以上視聴した人は5%未満だったという。

楽観的な一部バイヤー

だが、一部のバイヤーは依然として、コンテンツが向上すれば、フェイスブックは動画を視聴するつもりのユーザーを取り込めると考えている。

「ユーザーに教え込むというより、コンテンツ制作者の責任が大きくなる」と、エージェンシーのRPAでデジタル戦略スーパーバイザーを務めるレイチェル・フレッチャー氏は指摘する。「ロングフォーム動画は創造性に門戸を開く。それにより制作者は、『これは魅力的だろうか』という自問と『迅速にユーザーに見せる必要がある』というニーズのはざまで、自身のクリエイティブをしっかり吟味することになる」。

しかし、たとえ広告主がロングフォームにおカネを出すとしても、長さ数分間の動画を埋め込むのに、ニュースフィードが理想的な場所かどうかは不明だ。

「ニュースフィードには独自の目的がある」と、エージェンシーのポシブルのパートナーシップおよび新興メディア担当バイスプレジデント、ジャスティン・マーシャル氏は指摘する。「それに、集中力の持続時間が大きく異なる」。

フェイスブックは、動画アプリのリリースを間近に控え、既存のアプリにも動画タブを追加した。情報筋はそうした状況から、フェイスブックがその基幹プラットフォームでロングフォーム動画を増やしてユーザーに慣れさせ、そのあとで動画を専用アプリに移行して大々的に宣伝するだろうと推測している。これは、フェイスブックが「Messenger(メッセンジャー)」をリリースしたときと同じやり方だ。それでもやはり、同プラットフォームは、広告主を引きつける水準の動画を増やす必要がある。

「ユーチューブで広告主が出稿を望む動画を調べると、大金をかけて製作されたコンテンツだとわかる」と、テイラー氏は語る。「私の予想では、フェイスブックはいずれ、動画分野に進出した企業との提携を増やさざるをえないだろう」。

Ross Benes(原文 / 訳:ガリレオ)

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『DIGIDAY日本版』編集部

2015年9月1日にローンチしたデジタルマーケティングに特化したニュースサイト。米国のオンラインメディア「DIGIDAY」と提携し、同サイトが日々配信する最新のデジタルマーケティング情報をいち早く翻訳。日本国内の動向についても独自コンテンツを配信している。

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