「話がわかりやすい」人は一体何が違うのか 理系作家がそのナゾを解き明かす

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ここでは、具体的に私が相手の脳に「わかった!」をつくるために使っている技術をいくつか紹介しましょう。どれも私が実際に使ってきたものです。

(1)一瞬でロジカルになる! つなぎの言葉

「たとえば」「だから」「つまり」「しかし」。相手にわかりやすく伝える手段として「つなぎの言葉」、いわゆる接続詞はとても大切です。

なぜか。接続詞は次にくる話や文がどんな内容かの合図、前振りになるからです。

「たとえば」の後は例文、たとえ話がくる。「だから」の後は結果や結論がくる。「そして」「しかも」の後は、前の内容と似たような話がくる。「つまり」は前の内容を要約した話がくる。「しかし」「反対に」は前の内容と逆の話がくる……。

会話や文章の中でつなぎの言葉(接続詞)を強調すると、伝える相手への合図になり、相手が、次の展開を予測することができます。絵を描いてもらうときには、相手に先を予測してもらうことがとても大切なのです。

人の話を聞いているとき、頭の中は論理モードになっています。これは内容を理解したり、つじつまが合っているか確認したりするためです。「つなぎの言葉」は、脳への合図となり、次の話を予測させます。すると、脳は「受け入れ万全の態勢」になり、話をちゃんと聞けるようになるのです。

さらに、つなぎの言葉から、次の言葉を話し始めるまでの「間(ま)」を空けるのも効果的です。ほんの少しの間(3秒ほど)をとると、相手が思考を切り替える準備の時間になるからです。

相手に興味を持ち続けてもらうには

(2)相手を前のめりに! 脳内にハテナをつくる

つなぎの言葉で、相手が頭の中に絵を描くための準備をさせることをお伝えしました。ここから話を進めるにあたって、話に興味を持ち続けてもらわなければなりません。そのための技術として使えるのが、「脳内にハテナをつくる」。相手が、耳慣れないキーワードを、あえて話の中に入れ込むのです。

「えっ? なにそれ?」

相手が驚きとともに、前のめりになったら成功です。

脳内に「ハテナ」が生まれたら、それを解消したくなるのが人間の性(さが)。相手の頭にハテナができれば、後は簡単です。それを解消する話を展開すればよいのです。

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