「話がわかりやすい」人は一体何が違うのか 理系作家がそのナゾを解き明かす
しかし、ここで注意しなければならないのは、あなたが頭の中で描いた犬と、相手の頭の中での犬は、同じとはかぎらないということです。
あなたが伝える立場になったら、相手にどのような「絵」を描かせるでしょうか? あなたはチワワを描いているのに、相手がブルドッグを描いていたら、通じるわけはありません。
自分の脳内の「絵」と、相手の「絵」を近づけることこそ、わかりやすさのコツ。具体的で描きやすい言葉で説明することが大切なのです。
簡単な言葉を使えばいいわけではない
では、相手に上手に絵を描いてもらうには、どうすればよいでしょうか。
まずは相手の頭の中にある言葉、つまり知っている言葉で伝えることです。相手の頭の中にない言葉を使う時点で、わかりやすさの視点で見ると、アウトなのです。
小学校で習う言葉、平易な言葉を「コドモ言葉」と名付けましょう。コドモ言葉は、知っている人が多い分、わかりやすくなるのは確かです。しかし、すべてをコドモ言葉にして伝えればいいのかといえば、そうともいえません。
目的は相手の頭の中に「絵」を描かせることですよね。そのためには、コドモ言葉よりも、難しい専門用語のほうが理解が早い人もいるかもしれません。相手が普段使う言葉=相手の頭の中にある言葉なので千差万別、十人十色。人によって違うのです。ある人は専門用語かもしれません。ある人ははやり言葉かもしれません。ある人はアニメのセリフかもしれません。
つまり、言葉の選び方は相手次第。伝える相手にとっての「わかりやすい言葉」を使うことこそ、わかりやすさの基本ルールと覚えてください。
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