あなたの年齢がモロバレする「死語の世界」 アベック、アミ、ランデブー、出歯亀…
一方、出歯亀(でばがめ)となると、意味を知らなくとも、なんやらいかがわしい感じがする。「助平、女をいじめる男」とある。記憶では、のぞき犯のことも言うはずだ。その元となったのは、女性をのぞき見して暴行した犯罪者である池田亀太郎、あだ名が出歯亀である。固有名詞が一般名詞になったのは出歯亀だけでなく、八百長もそうらしい。八百屋の長吉(あるいは長次郎)が八百長をしたために、八百長が八百長と呼ばれるようになったとか。この文章、ぼ~っと読んだらら意味がわからないくらいに、八百長という言葉は普通名詞化している。
「ちゃりんこ」は、もう死語?
もう死語なんか、と寂しくなる単語もいくつかある。自転車の「ちゃりんこ」はまだ使うと思うけどなぁ。特に原動機付き自転車を「原チャ」とか。「ハイカラ」なんかは早晩通じなくなるとは思うが、適切なタイミングで使うとけっこううける。アイスコーヒーの「冷コー」は、もともと関西の言葉だが、夏になると今でも手書きのポスターなんかを見かけることがある。廃れさせないために、今度スタバで、冷コーの大、とかいうてみよっと。
何のことかわかるだろうか? 答えは「ちちんぷいぷい」。確かに、今頃の子どもはこんなまじない言葉では騙されないような気がする。しかし、今も関西人にはなじみのある言葉だ。というのも、大阪のおばちゃんたちに大人気の、毎日放送が放送している午後のワイドショーのタイトルに使われているのだ。出歯亀とは逆に、ちちんぷいぷいは、普通名詞から固有名詞化してきているのかもしれんなぁ、などと考えるのも面白い。番組が終わると完全に死語になるかもしれんので、毎日放送には末永くがんばっていただきたい。
リストアップされた百あまりの言葉だけでなく、それと同じような意味を持つ言葉や、同じような発想による言葉なども豊富に紹介されていて、索引にはざっと800もの消えた俗語あるいは消えゆく俗語が収録されている。紹介するときりがないが、思わず笑ってしまうような豆知識も満載だ。俗語として使われたことばの面白さを十分に味わえるとともに、それぞれのことばが使われた時代の風俗までよくわかる。老いたる人には懐かしく若者たちには新鮮な、じつに愉快でためになる一冊になっている。
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