あなたの年齢がモロバレする「死語の世界」

アベック、アミ、ランデブー、出歯亀…

ランデブーの意味は「男女の密会」とある。もうひとつ、スプートニクが打ち上げられた1957年に生まれたスペースエージのおっさんとしては、宇宙飛行船がドッキングする前に近接して飛行する意味としてのランデブーもあげてほしい、と思ったら、ちゃんと本文にあった。

“「ランデブー」と聞いて「逢い引き」と思った人はかなりの老人。
宇宙飛行機のドッキングと思った人は中年。
なんのことかわからない人は若者だ。”

 

おみごと! 老人と中年の間のおっさんには、逢い引きとドッキングの2つが同時に頭に浮かぶのである。

フランス語よりも多いのはドイツ語に由来する俗語で、その多くは、旧制高校出身者から編み出された言葉だとされている。「エッセン」は食べる、「ゲバ」はゲバルト=暴力、「シャン」は、schön=美しい、から転じて美人、「ゲル」がゲルトからでお金。どれもけっこうインテリっぽくてしゃれている。「ドッぺる」は、doppeln=二重にする、からきていて、留年すること、「メッチェン」はそのままMädchenで若い女、とかがあるのも、旧制高校らしくていい。

似非外国語みたいな俗語

笑えるのは似非外国語みたいな俗語である。聞いたことがなくとも「インハラベビー」は意味がわかる。in 腹 baby で妊娠だ。「ラージポンポン」とも言ったらしい。同義語の「はらぼて」もほとんど使われなくなっているそうだが、なんとなく語感がよろしくないので、少子化の時代にはふさわしくないためだろうか。「オストアンデル」は、子どもじみた感じがするから使わないが、意味は知っている。押すと餡が出るので饅頭である。この系譜の言葉は歴史が古くて、江戸時代すでに、あの平賀源内が和蘭語風に記憶の悪い人を「スポントワースル」とか言っていたらしい。明治時代によく使われた「スワルトバートル」の意味を知る人は相当な俗語フリークに違いない。「座ると場とる」から、袴だそうだ。現代人にはわからんわなぁ、これは。

かつては、わかりやすい翻訳語もあった。たとえばブラジャーは、昭和初期にフランスからはいってきた時に、「乳押さえ」とか「乳バンド」とネーミングされた。下着といえば「シミチョロ」もある。これは知らない人にとっては難易度が高いだろう「シミーズがスカートの裾からはみ出ていること」、シミーズがチョロチョロ見えるからシミチョロだ。だいたい、若者にはシミーズがわからんのではないか。「今、使うのは八十歳以上の人だろう」って、今でも使う人おるんですか……。念のために言っておくと、女性用の長いキャミソールみたいなもので、正しくはシュミーズ。これもフランス語。

外来語や外来語もどきに比べると、漢語系の俗語は格調が高い。痩せさらばえた人でも「骨川筋右衛門(ほねかわすじえもん)」といえば恰幅よく聞こえる。「薩摩守(さつまのかみ)」も相当なものだ。薩摩守であった平忠度(たいらのただのり)から来た言葉で、タダ乗りだから無賃乗車のこと。犯罪者でも立派な感じがしてしまう。寮雨(りょうう)という言葉も載っていて、なんやらロマンチックな雰囲気やなぁと思ったが、あにはからんや「学校の寮の窓からする小便」とのこと。どっひゃ~、どこの世の中にそんな言葉があるんですか。ドイツ語系の俗語といい、旧制高校恐るべし。

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